禁止も制限も受けない汎用カードこそインフレの促進剤だったりする

ただのルール屋さんの妄想だと思ってください。

誰もが使うフリー素材と汎用エクストラは似たようなもの

禁止制限されていないが、採用率が非常に高い汎用カードは最も危険な存在

エクシーズの登場以降、汎用エクストラという考えが一般化しました。レベル4を簡単に揃えられるデッキならば、縛りのないランク4を入れたいと思うのは当然のことですね。最近の人気汎用ランク4といえば《ダークリベリオン・エクシーズドラゴン》でしょうか。

そしてこういう「禁止制限するほどでもないけど使いやすくて強いカード」が環境汚染の原因にもなっています。

いや、別にエクストラだけではなく、メインデッキに入るようなカードにもそういうのは多くあります。今回はたまたまエクストラに絞っただけです。

何故そう言えるのか。それはこのような汎用カードは禁止制限にする確固たる理由がないので、以降のカードはこのような汎用カードを基準にして開発され続けるためです。

リベリオンを制限カードにするくらいならば、もっと強力なテーマや脳筋カードをつくることになる

あらゆるデッキに採用でき、様々な状況を打破できる可能性がある。しかも無制限。

そういうものがある場合、基本的には禁止制限の罰を受けることになります。しかし、リベリオンには《氷結界の龍トリシューラ》のようなオーバースペックな効果はありませんから、禁止カードになるほどの影響があるとは中々いえません。また採用枚数も1枚程度なので制限にするのは無意味。

さらに《強欲な壺》や《生還の宝札》が現役であったときとは状況がかなり違います。強欲な壺も真っ青なほどに手札を増やすカードはたくさん登場しています。リベリオン以外にも汎用ランク4もたくさんあり、禁止制限による微調整はかなり困難を極めます。

そうなるとどうなるのか。「リベリオンの次」を狙えばいいのです。テーマデッキとは違う目に写りづらいインフレです。これが厄介です。

環境が硬直化するくらいならばインフレを起こした方がマシ

だれでも使いたくなるカードを出せば大勢の人が飛びつくのでカードの売上は上がります。大会も(表面上は)盛り上がります。しかししばらく経つと環境が硬直化するので、特にエクストラデッキの中身は近似してきます。

環境の膠着は運営にとって厄介な問題です。新しいパックを誰も買わなくなるからです。ゆえにより強力なテーマやカードが開発されます。しかし、それは以前の禁止制限の反省が反映されている(そんなことは極めて稀だが)ことでしょう。

そしてそれらに混じって、リベリオンやプトレマイオス等のテーマに縛られない汎用無制限カードが登場します。これらがそのまま生き残った場合、次の環境でさらに暴れるか、またはもっと強力な何かに取って代わられます。

とはいっても、おそらく次回の制限改訂でプトレマイオスは引っかかる可能性がありますが。

禁止制限は昔と今では意味が違う

数年前まで、禁止カードになったものは原則として復帰はできませんでした。それはエラッタに対して運営が非常に慎重であったためです。しかし現在はあらゆるカードがエラッタの対象であり禁止カードはエラッタによる再録が普通になっています。《混沌の黒魔術師》などがそれに当たります。ゆえに、昔と現在では禁止制限の意味合いが全く異なります。

昔は禁止制限は終身刑に等しい物でした。しかし現在は、エラッタを行うための更生施設でしかありません。ほとぼりが覚めた時にエラッタ&再録されてるので、それまで環境から遠のかせるための制度となっています。

逆に言うと、このような禁止制限を受けずに環境に残り続けるカードは、エラッタを受ける可能性は極めて低いのです。そういうカードはなんのお咎めなしに、ちょいワル(古)を続けながら居座っているのが現状です。

ほどよい調整具合だったばかりに、禁止制限という更生施設に通ったことのない不良カードはかなり厄介な存在です。エラッタもされずインフレスパイラルをけん引することになります。(超展開だという自覚はありますよ

裁定変更は意味が無い

ではエラッタせずに、コナミお得意の「裁定変更」をすればいいという意見もあるでしょう。しかし、裁定を変更してもそれが一般ユーザーにまで浸透するのはかなり時間がかかります。毎週更新されている裁定リストを丹念に見るデュエリストは相当なマニアだけです。小学生はそんなサイトの存在すら知りません。

結局《E・HEROバブルマン》のように、再録時にエラッタすることでテキストの変更を明確に示すくらいしか効果はありません。もっとも、バブルマンはやや事情が異なりますが。

そもそも、縛りのないエクシーズやシンクロが危険な存在

コストやリソースという概念が殆ど無い遊戯王というシステムの中で、どんな状況でも使えるカードは本来あるべきではありません。《No.39希望皇ホープ》の自壊効果からわかるように、そういうカードは何らかのデメリットを持っているのが普通です。

あるいは、強力な効果にするならばより召喚条件やコストを重くしなければいけません。リベリオンならば、「カード名の異なるレベル4通常モンスター×2」なども考えられます。

しかし、致し方無いとはいえ、シンクロやエクシーズを流行らせるために強力な汎用カードを連発したのは誤った戦略だったといえます。結局、メインデッキは違ってもエクストラは似たような構成であるデッキが氾濫する遠因になっています。ペンデュラムが縛りだらけなのはそれらに対する反省でしょうが、正直あまり生かされていませんね。

儀式や融合の復権のために、驚くほど緩い条件や強力な効果を出しているのですから。

しかし、【影霊衣】や【シャドール】は禁止制限という罰を受けただけまだマシです。それらをすり抜けた汎用カードこそ危険な存在です。次の環境は居座って悪さをする可能性があるのがその理由。

とりあえず言いたいこと

  1. テーマやデッキに縛られず禁止制限も受けない強力な汎用カードが開発される
  2. 誰もがそれらを使うが禁止制限にする程ではないので、次回はそれら以上のカードが作られる
  3. 結果として「エラッタも禁止制限も受けない馬鹿みたいに汎用性の高い脳筋カード」が世代を追うごとに量産されていく
  4. みんな死ぬ

余談

OCG検定の予想問題を作っていたはずなんですが、予想以上に大変なんです。ですから気晴らしに駄文を書きました。まあ似たようなことはブログでもよくあるのです。Pakutasoさんの画像を使っているブログって多いですよね(つブーメラン)。工夫していないとこういうふうに言われてしまうものです。

あと、Ingressのイベントが6月に東北地方で開かれるので、それには参加したいなと思っています。一緒に行きませんか?

もちろん自分は買います。