クリスタルウィングシンクロドラゴン同士の戦闘による攻守の計算~ダメージステップ~

攻撃した側がかならず勝つ

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》同士が戦闘を行う場合についての質問を時々見かけます。相打ちになるのか?というものが多いですね。

クリスタルウィングには相手の攻撃力を吸収する効果と、モンスター効果の発動を無効にすることができる効果が備わっています。同じ効果を持つ両者が戦闘を行うダメージ計算時の処理は、なんだか複雑そうです。

しかし、実は「攻撃する側が勝つ」と覚えておけばいいのです。

これは昔のオネストの計算方法と同じ、先出し有利と若干似ています。

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
クリスタルウィングシンクロドラゴン
シンクロ/効果/星8/風属性/ドラゴン族/ATK 3000/DEF 2500
チューナー + チューナー以外のSモンスター1体以上

(1)1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2):このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。

クリスタルウィング同士のチェーンの組み方

クリスタルウィング同士の戦闘による攻守の計算

同時に複数の効果が発動する場合の処理

クリスタルウィングの(2)の効果はダメージ計算時のみの強制の誘発効果です。

ダメージ計算時に複数の効果を発動する場合、必ずそれらを同一チェーン上で発動しなければなりません。それは誘発効果であっても同じ。

誘発効果同士なので「同時に複数の効果が発動する場合の処理」に従います。

同時に複数の効果が発動する場合の処理

特定のタイミングで同時に誘発効果が発動する場合(中略)以下の優先度に従ってチェーンブロックを積む。

  1. ターンプレイヤーの強制の誘発効果
  2. 非ターンプレイヤーの強制の誘発効果
  3. ターンプレイヤーの任意の誘発効果
  4. 非ターンプレイヤーの任意の誘発効果

攻撃力アップの誘発効果のチェーンの組み方

クリスタルウィングによる攻撃力アップは強制の誘発効果です。同じ強制ならばターンプレイヤーから先に発動するため、クリスタルウィング同士の戦闘では攻撃する側がチェーン1で発動することになります。

仮にターンプレイヤー側をA、非ターンプレイヤー側をBとします。

  • チェーン1) クリスタルウィングAが(2)の効果を発動
  • チェーン2) クリスタルウィングBが(2)の効果を発動

もしも、両者が(1)の無効化を発動しないのであれば、チェーンはここで終わり逆順処理をします。

逆順処理をした場合、BがAの攻撃力3000を吸収して攻撃力「6000」となり、次にAがBの攻撃力6000を吸収して攻撃力「9000」になります。このままダメージ計算するため、Aは戦闘で勝ちます。

Aが無効化を発動する必要はない

誘発効果のチェーンブロックを積む際には、途中で誘発即時効果を挟むことはできせん。クリスタルウィングの(1)の無効化効果は任意の誘発即時効果ですから、かならずチェーン3以降でしか効果を発動できないことになります。

チェーン2で誘発効果を最後に発動したのがBであったため、優先権はAの側にあります。つまり、先に無効化効果を発動できるのはターンプレイヤーであるAの側です。Aは直前のチェーンブロックにあるBの効果にチェーンして(1)の効果を発動することが可能です。

しかし、Aが無効化効果を発動するわけがありません。なぜならば、自身が無効化を発動すればさらにそれを無効にしようとBが(1)の効果を発動してしまうからです。

Aは無効にされる効果をわざわざ発動しません。ターンプレイヤーは優先権を放棄するでしょう。

そうすると、Bの側に優先権が移りますが、直前の効果は自身が発動した効果であるため(1)の無効化は発動が不可能。Aの(2)の効果に直接チェーンができないためです。

結果、Aは無効化を発動しなければそのまま攻撃力アップ処理に移れるのです。そうすると、さきほどと同じ結果となりAが勝利します。

オネストとクリスタルウィング

オネスト》による攻撃力アップは、ダメージ計算前までしか行えません。クリスタルウィングはダメージ計算時に発動するため、オネストを握っていてもクリスタルウィングには勝てません。

  1. オネストの効果でダメージ計算前に光属性の攻撃力がクリスタルウィングの攻撃力分アップする
  2. クリスタルウィングの効果でダメージ計算時に光属性の攻撃力分アップする

クリスタルウィングの効果が最後に適用されるので、どんなに強化しても相手の攻撃力を上回ります。そもそも、オネストの効果をクリスタルウィングは無効にできるのであまり意味は無いかもしれませんが。

まとめ

  • 同じ強制の誘発効果がダメージ計算時に発動する場合、ターンプレイヤーの方からチェーンを組む
  • チェーン2の効果で攻撃力を上げてもチェーン1の効果でさらに攻撃力を増すため、チェーン1の効果を発動したクリスタルウィングのほうが攻撃力が上回る
  • (1)の無効化効果は任意の誘発即時効果であるため、チェーン3以降でないと発動できない
  • チェーン3で発動できるのは攻撃するターンプレイヤー側
  • チェーン3で(1)の効果を発動しなければ非ターンプレイヤーは何も発動できなくなるので、ターンプレイヤーが優先権を放棄すればチェーン2以降が発動することはなくなる
  • 結果、必ずチェーン1で攻撃力アップの効果を発動でき、(1)の効果を発動しなくても良いターンプレイヤー側のクリスタルウィングが戦闘で勝利する

もちろん、これらのカード以外に無効化するものがあったりすると条件も変化します。ただ、攻撃表示のクリスタルウィング同士の戦闘に限るならば、ほぼ確実にターンプレイヤー側が勝利します。ターンプレイヤーが余計なことをしなければいいのです。

ちなみに、《眠れる巨人ズシン》と戦闘を行う場合、クリスタルウィングの側から攻撃する場合に限って戦闘破壊が可能です。