ルール屋からみた、遊戯王がオワコンだと思う3つの理由

頬に手をのせて正面から見つめる女の子:モデル[Lala]

遊戯王というカードゲームをやったことのある人は少なくても、知識としてもっている人は多いはず。歴史があり、今も多くの人に親しまれている日本一のカードゲームだ。だがオワコンだと思う。それは登場した手の頃から言われていた。現在も変わっていない。

もちろん遊戯王は今でも好きだが問題点は多い。自分は遊戯王のルールを専門としているので、その方面から語っていきたい。※普段は「増殖するGってドラゴサックの効果に使うと何枚ドローできる?」「【図解】3ステップでわかる「メガロアビス」の正しい特殊召喚」「《氷結界の龍トリシューラ》の勘違いしやすいポイントを解説します」のような普通の記事書いてます。

  1. ルールブックやテキストよりも非公式サイトを見ないとプレイできない
  2. レガシーなテキストとコンマイ語
  3. カード毎の裁定に食い違いや調整中の多さ

いまさらだけど、遊戯王ハックという名の通り、このブログのテーマは遊戯王。既に遊戯王自体から引退してはいるが、ブログのネタとして日々情報収集はしているつもり。カードはなし。ゆえにカードに囚われないで記事をかけるとでも言っておこうかな。

1:ルールブックやテキストよりも非公式サイトを見ないとプレイできない

遊戯王はどういうカードゲームかといえば、モンスターカードを出して殴りあうだけというシンプルなもの。しかし実際にプレイしてみるとどうやって動かしていいのか全くわからなくなる。初心者にとっては、デッキを組むことすら難しいだろう。

遊戯王をプレイする上で大事なのはルールブックやテキストを読むことではない。遊戯王wikiを熟読することだ。これは公式を非公式が超えるという代表例かもしれない。公式にもデータベースはあるのだが、質も量も遊戯王wikiに及ばない。

たとえば「チェーン」という概念がある。

「チェーン」自体はTCGにおける重要な発明品と思っている。複雑な処理を行えるため戦略の幅が広がるのだ。しかし、これをルールブックやカードだけで行うのは難しい。初心者がつまずく要因として「チェーン」があるのは否めない。

そういう時は公式サイトよりも遊戯王wikiをみよう。どこよりも詳しいのは言うまでもない。実際のデュエルをしながら、遊戯王wikiと照らしあわせて理解するのが最も効率がいい。完全にルールブックといっていい。

その中で「タイミングを逃す」や「チェーンに乗る特殊召喚」といった言葉を利用して様々な処理を行なっていけるのだ。遊戯王wikiの内容は多岐にのぼり、1ページあたりの分量も相当だ。常に加筆修正がされ、新しいカードが逐一足されている。Q&Aは公式をとっくに超え、このサイトを見なければ効果の分類すらわからないという状況だ。

ルールブックや公式サイトが役立たずというのはよくある話だが、ここまで差が広がっている例は少ないだろう。しかし逆に言えば非公式が仕事し過ぎとも言えなくはない。

2:レガシーなテキストとコンマイ語

混沌帝龍-終焉の使者-
混沌帝龍(カオス・エンペラードラゴン)-終焉の使者-
効果モンスター(禁止カード) 星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。 自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。 1000ライフポイントを払う事で、お互いの手札とフィールド上に存在する全てのカードを墓地に送る。この効果で墓地に送ったカード1枚につき相手ライフに300ポイントダメージを与える。

《混沌帝龍-終焉の使者-》は十年前に発売されたパックで出た、当時もいまも最凶のカードだ。永遠の禁止カードといっていい。

このカードをはじめて見た初心者はどう思うだろうか?

特殊召喚するときにモンスター効果の発動を宣言するのか。この特殊召喚を無効にできるカードはどれか。1000ライフを払うとはいつの段階か。

コストと効果の違いが判別しづらい

遊戯王の問題点として、テキストから効果を読み取りづらい、というものがある。一時期よりは随分とマシになった感がある。特に「コストと効果の違い」は多くの人を悩ませてきた。

今では「〜を払って発動する。」などとわかりやすく書いているが、そうでないテキストも多く存在する。ほんとうに不思議なことだが、遊戯王ではときどき「コストか効果かの解釈が入れ替わる」場合が存在する。これはほんとうに愚かだ。

単純そうだが隠れた処理を持つカードが有る

BF-疾風のゲイル
BF-疾風のゲイル
チューナー(効果モンスター)(制限カード) 星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400 自分フィールド上に「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。 1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。 選択した相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。

この疾風のゲイルなどは良い例だ。相手の攻守を半分にする効果は実に単純だと誰もが思うだろう。問題は他の攻守を増減させるカードとの関係だ。

このカードを受けるモンスターが自身の攻守を変化させる効果を持っていた場合や、既に攻守が変化していた場合、ゲイルの効果の上から攻守を変化させるカードを使った場合。

ゲイルの半減効果を使う上で留意しなければいけない要素は、実に20近くもある。しかもカード毎に効果の種類が違うので、相当数のカード効果を理解していないとまともに扱うことが出来ないのだ。それでも研究が進んでいるだけ他よりましか。

だが複数のカード効果が重なれば、それは悲劇だ。

テキストを読むだけでは全く判断がつかないのが遊戯王だ。疾風のゲイル然りブラック・ガーデン然り。多くのカードが平文のテキストから全く読み取れないような処理を迫られる。

我々はそれを「裁定」または「コンマイ語」と呼び、従っている。もう既にわかると思うが遊戯王においてテキストは飾りだ。

後発組である他のTCGではコストの概念や処理の仕方をテキストの段階で明確にしていることが多い。しかも平文ではなく記号等を使った分かりやすい記述方法を使って。遊戯王の文章はレガシーで飾りでしかなく、扱いづらい表現をいまだに使っている。誰が見たってどうにかすべきだ。

3:カード毎の裁定の食い違いや調整中の多さ

テキストが平文なだけの飾りで、ルールブックが役立たずでも、公式が的確な裁定を常に出しているのならば問題はそれほど多くはない。

しかし実際には似たカード同士で全く違う裁定が多く、さらに処理そのものがどうなるかを保留とする「調整中項目」は枚挙にいとまがない。

世間一般ではこういうのを「欠陥商品」と呼ぶだろう。

バハムート・シャークはどうして攻撃してから効果を発動できるのか。次元幽閉が対象を取る効果なのに、グランモールや光子竜が対象をとらない理由は何か。

「調整中」にいたっては数が多すぎて話にならない。この中には基本ルールに準拠したものまで含まれる。 例えば《 魔導書士バテル》のQ&Aなど、ちょっと信じがたい。 このように公式ですらルールの正しい解釈をいまだに出せていないのだ。

実際のデュエル中に調整中の処理にぶち当たったらどうするのか。基本的にその場のジャッジの判断任せだそうだ。しかし、公式ですら見解を出せないものを一個人にぶん投げるというのは、理解しづらいものだ。

遊戯王は終わらせるか作りなおすべきだ

現在の遊戯王は過剰な延命措置をしているに過ぎない。それはどの業界でもある話だが、こと遊戯王という存在は管理が杜撰すぎると感じる。

最近になって公式データベースが本腰を入れ始め、いままで言及して来なかった細かなルールを説明するようになった。それはいい兆候だ。だがそれでは手遅れだ。

遊戯王がオワコンだといわれるのは「環境のせい」や「再録させすぎるせい」などと言われる。しかし自分は、遊戯王はゲームとして成り立っていないのではないか、と思っている。

将棋やチェスがゲームとして成り立っているのは、いくらコマを動かそうが盤面に従って動かす、という点にほかならない。コマを盤面以外で動かしていいのならもはやゲームではなくなる。

遊戯王はこれを平気でやるのだ。それはまるで、計画性もなく道路や地下鉄や高層建築物を増やしたり潰してきた、人だけが多い街のようだ。

想像してほしい。カーナビがないと隣の家に訪問すら出来ない住宅街を。標識に従ったのに突然四方を塞がれて身動きが取れなくなる道路を。改札からホームまで何キロもかかる駅を。それが遊戯王だ。

遊戯王は危険を犯してでもルールを改変すべきだ。何千種類というカードのエラッタがでようとも、裁定変更をしようとも、既存の環境を壊そうとも。遊戯王とは別のカードゲームになろうとも。今がひどすぎるのだ。

それが無理なら終わらせよう

遊戯王は面白い。だけどルールは最底辺だ。自分はそんな最底辺なルールの講義が好きだ。でもそろそろ限界かもしれない。教育委員会に左右される学校の先生の気持ちがちょっとわかる。プレイヤーのマナーも悪いし。

今後の遊戯王の変更して欲しいルール等

最後に、自分なりに今後の遊戯王がどうあって欲しいかを考えてみた。

  1. 記号や統一書式を採用した分かりやすいテキスト
    • 起動効果か誘発効果かの明文・記号化
    • コストの有無
    • 同一処理か別々の処理かの明文化
    • 召喚条件などを別表記にする
  2. 「効果を無効にする」「攻撃力を半分にする」「攻撃できない」「このターン発動できない」などの曖昧なテキストに対する処理を基本ルールとして内包・統一
  3. 先手のドロー廃止(<=記事とは無関係なたんある願望)

本当はもっとあるが心が折れるのでやめておく。コナミは次の遊戯王シリーズでルールを抜本的に変えてほしい。いつまでユーザーにバグさがしをしてもらうつもりなのか。パッチをあてたり新機能を追加して有耶無耶にしても、ユーザーは呆れるばかりだ。

いまの遊戯王は同じルールのもとでプレイできていない。初心者も上級者も同じルールの中で遊べないなんて、カードゲームですらない。イカサマよりもひどいかも知れない。遊戯王のルールを解説する人間として。


※最期まで読んでいただいた人へ。こんな駄文ですいません。でもなんとなく書いてみたかったので。中身は中二病全開ですね。もっと具体的な案を出してくださる方は一報ください。(俺、この記事がはてブいっぱいされたら転職するんだ)