《収縮》で半分にしても「元々の攻撃力」だから《ラグナ・ゼロ》は使えません

ロクロを回す男性

収縮で半分にしてもラグナゼロを発動できない

マスタールール3以降の裁定によって《収縮》の効果が変わりました。現在、《収縮》で半分になった数値は元々の攻撃力として扱うことになっています。これによってどういう変化が起こったのかというと、《No.103神葬零嬢ラグナ・ゼロ》や《No.33 先史遺産 超兵器マシュ=マック》の効果を、その半分になったモンスターを対象に使えなくなってしまいました。

《収縮》によって変化した後の数値と元々の攻撃力が等しいからです。

一方、《BF-疾風のゲイル》は元々の攻撃力を変更しません。よって、変化後の数値と元々の攻撃力は一致しないので、ラグナ・ゼロの効果対象にすることが可能となります。

ここでは《収縮》が半分にする「元々の攻撃力」に関してと、補足として《BF-疾風のゲイル》の半減効果との違いを解説します。

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元々の攻撃力とは

カードの効果テキストで使用される「元々の攻撃力」とは、買い本的にはモンスターカードに記載された攻撃力の数値を指します。
装備魔法カードやその他のカードの効果で増減した数値は含まれません。

遊戯王OCGマスタールール3

例えば、《暗炎星-ユウシ》ならば元々の攻撃力は「1600」。これに《収縮》を使って「800」にしても、「ラグナゼロ」を発動できません。
なぜならば、その半分になった現在の数値は元々の攻撃力と扱うためです。「現在の数値=元々の数値」なので対象にできないというわけ。

【公式裁定】「収縮」の効果が適用されたモンスターを対象に「No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ」の効果を発動できますか?

しかし、フィールド上に《炎舞-「天璣(天キ)」》が存在して「100」アップしているのならば、「ラグナ・ゼロ」や「マシュ=マック」の効果を使うことが可能です。

収縮は元々の数値をそのものを変更する

《収縮》の効果を一言で言うならば、増減効果ではなく「元々の攻撃力を書き換えてしまう」というものです。
《禁じられた聖槍》や《禁じられた聖杯》と同じように感じてしまいますが、処理の上ではまるで違うものです。

収縮は元々の攻撃力の数値を直接変更する

イメージは「風船の空気を抜いて小さくする」ことに近いでしょう。

収縮と永続効果

ユウシの攻撃力を収縮で半分にしたらマシュ=マックで与えられるダメージはどうなるのか

《暗炎星-ユウシ》の元々の攻撃力を《収縮》の効果で半分にし、さらに《炎舞-「天璣(天キ)」》を発動します。

「1600÷2」+「100」=「900」

「ユウシ」の元々の攻撃力は半分の800に書き換えられ、さらに「天キ」で100を加えた数値が現在の攻撃力。

収縮と天キを組み合わせたときの計算

この状態のユウシに対して「マシュ=マック」を使うと、相手に「100LP」のダメージを通します。「700LP」だと思った人はいませんか?

収縮で変化した元々の攻撃力と現在の攻撃力の差だけを計算する

いまは《収縮》によって「ユウシ」の元々の攻撃力は置き換わり、そこに「天キ」が加算されている状態。よって、元々の攻撃力から変化しているのは「天キ」によるものしかありません。

ブラックガーデンやゲイルとどこが違うのか

ゲイルは元々の攻撃力を変更しない

《BF-疾風のゲイル》や《ブラック・ガーデン》による攻撃力半減はどちらもほぼ同じ性質ですが、《収縮》による半減とは別物です。

ゲイルが半分にしているのは「元々の攻撃力」ではなく、増減効果を含めた現在の攻撃力の数値だからです。

ゲイルは量りの数値を変更しているとイメージする

《収縮》のイメージは「風船をしぼませる」と言いました。また、天キや聖槍などはその風船につける「おもり」のようなものです。
ゲイルや黒庭はそれらの重量測定器の数値をいじっていると考えてください。

収縮と違い疾風のゲイルは元々の数値に鑑賞せずに見かけ上の数値を変更する

先ほどの炎星を使いましょう。
《暗炎星-ユウシ》(1600)と《炎舞-「天璣(天キ)」》があるとき、《暗炎星-ユウシ》の攻撃力は「1700」。

ここに「ゲイル」を使うと、それらの増減をまるごと含めて半分にした「850」という数値にしてしまいます。

この状態の「ユウシ」に「マシュマック」を発動すると「750LP」のダメージが発生。
なぜならば、ゲイルは「ユウシ」の元々の攻撃力は「1600」のままであり、そこからの増減を計算した数値がダメージとなるからです。

ゲイルやブラック・ガーデンが半分にした数値は、元々の攻撃力とは違う見かけ上の数値。量りの値を直接半分にして固定したため、例えば《トラゴエディア》のように数値が変化する場合でも再計算させることがありません。

蛇足:収縮を2枚使うと四分の一になる

昔と今は違う

古参の人は知っていると思いますが、昔は収縮の重ねがけは意味がありませんでした。
しかし、現在では収縮によって変化した数値は元々の攻撃力ですから、複数枚を発動すればどんどん値が小さくなっていきます。

昔は収縮を何枚発動しても変化がないことの説明が大変だったのですが、時代は変わりました。

この説明は別の機会にしようと思います。対して難しくないのですが、攻守計算は面倒なのでちゃんとやる必要がありますから。

「元々の攻撃力」ではなく「基準攻撃値(守備値)」

そもそも「元々の攻撃力(守備力)」という表現が悪い。混乱のもとです。遊戯王の公式用語ですがいまから改定してもいいでしょう。より良い代替表現として「基準攻撃値(守備値)」をおすすめします。

今後、「元々の攻守」に関して疑問に感じたら「基準攻撃値」と置き換えるといいかもしれません。

クリフォート・ディスクは自身の効果で元々の攻撃力を書き換える

妥協召喚したクリフォートに対して、ラグナゼロは効果を発動できない

クリフォート・ディスク》は、特殊召喚またはリリース無しで召喚した場合に、レベルと元々の攻撃力を変更するデメリット効果を持っています。

この「ディスク」は収縮による効果とほぼ同じであり、元々の攻撃力を参照する際にはカード記載ではなく、効果によって変化した数値を参照します。

よって、1800となっているディスクに対してラグナゼロやマシュマックを発動することはできません。

なお、クリフォートのペンデュラム効果にはクリフォートのパワーアップ効果がありますから常に元々の攻撃力にとどまっているわけではありません。
もっとも、クリフォートの「レベルまたはランクが低いモンスターの発動した効果を受けない」という耐性であまり気にすることはないのですが。

まとめ

  1. 《収縮》は元々の攻撃力を置き換える効果である
  2. フィールド上の元々の攻撃力を参照する際、カード記載の数値ではなく《収縮》で半分になった数値を元々の攻撃力として参照する
  3. 疾風のゲイルは元々の攻撃力を置き換えずに、現在の攻撃力を半分にしている
  4. 《収縮》によって変化した元々の攻撃力もまた、別の《収縮》によって半分にできる

すごい言葉足らずで表現があやふやだなと思います。どなたかに添削していただきたいですね。

ああペンデュラムの本気である【クリフォート】が楽しみだ。