ポケモンGoが面白い面白くない等の話はあっちに置いて、ポケストップというかIngressのポータル設置基準に関するお話です。とても初歩的なことなのでエージェントには退屈だと思います。
Ingressのポータルがポケストップやジムになっているのは以前にお話しました。スポンサー施設を除き、ポータルとして存在するためにはいくつかの条件があります。例外もありますが基本的に以下の条件が必要です
- ポータルとしての基準を満たしているものである
- 申請者
- Nianticによるポータル認定
なんでもかんでもポータルになれるわけではありません。ポータルになるためには一定の基準があり、それを申請者が発見・申請されNianticにより受理・許可されて初めてポータルになれます。さらにポータルになってもポケストップにならないこともあるのですが、それは別のお話としておきます。とりあえず、ポケストップが少ないのはポータルになっていない可能性が高いといえます。
目次
ポケモンGoはIngressというフレームワークの中にある
ポケモンGoを最初にプレイしたときに多くの人が思ったことの1つとして「どうしてここにポケストップが存在するのか」は以前にも話しました。
誤解を恐れず言うならば(というか詳しい理解があまりないのですが)ポケモンGoはIngressというゲームが大元になっています。ポケストップやジムの殆どはIngressと共通であり、ゲームの技術の大半がIngress由来のものとなっています。ゆえにポケストップの設置に関してもIngressの基準に基づいているので色々と歪みが生じているのです。
ポケストップの有無に関しては、ポケモンGoの立場でなくIngressの側から理解したほうがより明白になります。
ポケモンGoのユーザーにとっては、なぜ無関係なIngressの事情に振り回されないといけいないのだと思うでしょうが仕方ありません。それを知るためには、そもそものポータルの成り立ちを知ったほうが手っ取り早いのです。
Ingressにはバックストーリーが存在する
Ingressにはゲームストーリーが存在しポータルが存在する理由もその中で語られています。それによれば、ポータルとはXM(エクゾティック・マター)という未知の物質の噴出口のようなものであり、特に文化的・芸術的・宗教的に重要なものに存在しているとされています。
簡単に言うと、Ingressにおけるポータルは公共性のある建物や人工物を対象にしているのです。例えば、公共図書館や公園の看板や噴水の像。このようなものがポータルになるというのがIngressの設定です。逆に自然の海や木々や岩はあてはまりません。地蔵や石碑はポータルになっていても、そのとなりにあるご神木がポータルにならないのはそのためです。(なっている例もあるかもしれませんが)
申請を控えるべき候補として挙げられているものから抜粋すると
- 地勢としての候補(景観のほか、湖、川、水路、山、火山、滝などを対象とする場合が含まれます。地勢の近くにある銘板、標識などの人工物は含まれません)。
- 消防署、警察署、病院の業務に支障をきたすおそれがある候補
- 小学校や中学校の敷地にある候補
このようなものが候補から排除されています。道路と木々が多い地域でポータルが殆ど無い理由がわかります。もしもあなたの近所にポータルになりそうでなっていないものがあった場合、すぐ近くに小学校との施設がある可能性もあります。
詳しくはポータル候補の基準を参照してください。
ただし、これらの基準を満たさないものも稀にポータル化していることがあります。申請の段階からおかしい上にNIAがかなりアバウトな理由で審査した結果であることが多いです。意外と小学校や幼稚園の壁画がなっていることがあるのですが、そういうのは削除申請すべきです。
それっぽいものがポータル(ポケストップ)になっていない理由
他の地域でポータルになっているようなものでものがポータルになっていない場合も多数存在します。それには複数の理由があるのですが、最も大きいのはポータルの設置にはユーザーの申請とNianticの審査・承認が不可欠であることが大きいのです。
- ポータル(ポケストップ)として存在していたが何らかの事情によって削除・移転された(※理由は様々です)
- ポータル申請時に審査基準を満たさなかったために不受理となった
- ポータル申請はされたがNianticによる審査が終わっていない
- そもそもポータルの申請がされていない(新しいオブジェに多い)
- ポータル候補の基準を満たしてない(期間限定だったり私有地の中にある場合)
Ingressでもポータルが原因のご近所トラブルは頻発しています。特に住居付近にあるポータルは問題になりやすいため、削除申請や移転等がされることがしばしばあります。
単にポータル申請に不備があって受理されていないこともあります。この理由は様々で、時期によって明白な理由もなく却下されることもあります。NIA許すまじ。
ただ、もっとも大事なのはIngerssでのポータル申請がパンクして停止状態になっており、かなり多くのポータル申請が未審査の段階にあることが大きいと思います。しかしそれに関してもよい兆候が見えそうです。
ポータルは人工物と相性が良いため都会に有利で田舎に不利
ポータルが都会に多く田舎に少ない理由の1つは、ポータルの設置基準にあります。人工物の多い都会ではあらゆる物がポータル候補となりやすいのですが、道路と畑ばかりの地域ではそもそものポータル候補が足りません。ポータルが少ないということはポケストップやジムも少ないのです。
このあり方はIngressのときから不満要素となっていました。ただしポケモンGoにてIngressのAPIが使われることになってから、都会偏重のポータルのあり方はいささか歪な物となったと思います。全く別のゲームを同一の要素で構成する難しさが露呈しています。
Ingressにおいてはポータル間の移動がゲームの主体であり、密集していることが必ずしも有利になるわけではありませんでした。移動できる範囲内に3つのポータルが存在すればゲームとして成立するのです。
しかしポケモンGoはポケモンを集めることに偏っているので、ポケストップが広い地域に点在しているよりも特定の場所に密集していた方が好まれます。また、そもそものポケモンとは自然の中に住む生き物です。本来の遊び方からすれば都会よりも自然豊かは地方にこそポケモンが多く出てしかるべきですが現実は真逆です。現実にゲームのレイヤーを重ねることがNianticの考えとは言え、元々のポータルを移植するだけではゲームとして不均衡なのはもはや明白です。
田舎にポータルを増やすためには
ポータル過疎地に対する申請を許可したり、そのような地域に存在する未処理分を優先的に審査すべきだと思われます。そもそも田舎はユーザー数が少ないという問題があるので、ゲームの側でできるだけ申請や審査を促す対策が不可欠です。
田舎にポータルが少ない理由のもう一つの理由が、ユーザー数の問題です。ポータル候補となるものの多くは地図や観光ガイドにも載っていないような素朴なものばかりです。これらは人の目によって発見されないとポータルとして存在すらかないません。ですがユーザー数がそもそも少なく、申請もあまり行う人がいなければどんな地域でもポータルは生えません。
似たような地方都市でも、ある街はポータルが非常に多い一方ですぐ都内街は閑散としてることがよくあります。ポータルが多いのはその街に申請を熱心にしたユーザーが多く存在していたからでしょう。ポータル格差はなにも田舎と都会だけに限らず市町村ごとに存在するのです。
また、ユーザーが多いとポータル候補も多岐にのぼります。こんなものまでポータルになっているのか!というおどろきは都会ならではだと思います。ユニークなマンホールやビルの外壁画のような一見ポータルにふさわしいのか疑問に思えるようなものも多数存在するので、ポータルの基準はそこそこ曖昧なのです。逆に、そのようなものが存在しなかったりそれを探す人の目がない地域ではポータルが生まれにくいのは必至です。
逆に言えば、人の目が届けばポータルは増える傾向にあるといえます。何もないと思いがちの場所でも案外多くの面白いスポットは存在するのですから。ポータルの申請制度が復活してさらにユーザーによる審査が行われれば、現在のポータル過疎地問題を緩和し、さらにポケストップの問題にも寄与できるかもしれません。
PortalRecon導入によってポータルの発見が再びゲームとして成り立っていく
ポケモンGo以前には、ポータルはIngressだけのインフラでした。ですからポータルと近隣地域の問題は局所的に発生してもそれほど大きな問題とはなりませんでした。しかしポケモンGoによってポータルの存在が一気に表に登場したことから、潜在的な問題が一気に噴出してしまいました。元々少数派だけのものが多数派に置き換われば、どんな小さなことでも問題になるのは致し方ありません。
Nianticは現在ポータルやポケストップの新規設置をほぼスポンサー関連の施設限定にしています。ユーザーによる申請と違って権利者の了解があるためにやりやすいという利点がありますが、ユーザーによる発見というゲーム性がないのは残念なところです。
そして現在、ポータルの新規申請が復活する兆しにあります。その一歩がPortal Recon(ポータル・レコン)であり、レベル16の一部ユーザーと東北・九州限定で審査が行えるというものです。これで審査されるのは現在保留中である審査待ちのポータルである可能性が濃厚です。
この傾向は、スポンサー企業だけではポータルやポケストップの疎密問題を解決できないことを意味していると考えられます。既存の商業施設をランドマークとして利用するだけではIngressにもポケモンGoにもそれほどメリットがなく、都市部に集中してしまう問題を解決できません。なによりも他のゲームとの差別化がないことが問題です。しかし、ユーザーが独自に申請したものならば都市部によらず多くの地域にランドマークを建てられます。Ingressの原点はポータルの発見であり、それ自体がゲームとして成り立っていた背景を考えれば申請制度を再度取り上げるのは原点回帰といえます。
レベル16限定でベータ開放しているのは、ある程度の経験があることに加え日本のAGが多数含まれていることにも起因しているのでしょう。
まとめ
- ポケストップの原点であるポータルの基準の多くはIngressのストーリーに沿っており、基本的に「公共性のある人工物」である必要がある
- 自然豊かな土地はそもそもポータルが生じにくい
- Ingressの申請は現在ストップ中で、未処理分も大量に存在する
- 現在はスポンサーに依らないポータル申請制度が復活しつつあり、ポケモンGoにも貢献する可能性がある
ポケストップが京都に多いのは任天堂の本拠地だからだ!、などという妄言を垂れ流すお馬鹿さん変わった人もいてポケストップがどうしてそこにあるのかを理解していない人も多いと思います。ポケストップがそこに存在する理由となぜそれがポケストップになれたのかを理解するのは、そもそものポータルの申請段階から考える必要があるのです。
ポケストップでは夏頃に大きな問題となりました。それに関しては色々と思うところがありますが、私としてはユーザーの手による是正を進める方向が望ましいと考えています。
[…] です。こちらのサイトで紹介されています。 […]
[…] ■【Ingress】謎の生命体「イングレスおじさん」の正体【…
[…] ポケモンGoがテスターから不人気だった理由と、Ingress…
[…] Pokemon GOのリリース前に4月頃からテスターがβ版を…
[…] ポケモンGoがテスターから不人気だった理由と、Ingress…