#ingress161210のイベントはどういうものだったのか

ingress161210

先日行われたIngressのイベント「SIXTEEN TWELVE TEN」について。少し前のViarNoir戦で日本が含まれていなかったので スポンサーのご機嫌取りのために日本ユーザーを満足させるために行われたエクストライベント。とはいっても事前に告知されたのは日付と日本全国で行われるという概要のみ。具体的なことは最後までないという不親切感満載のイベントでしたが、その内容は意外と奥深いものでした。かここではザックリとどのようなことをし、どのようにしたらよかったのかを解説します。

流れをとても簡単に言うと

  1. 告知された画像から5つの場所を特定し、当日にその場所に行く
  2. 予告時間になるとミッションが可能になる
  3. ミッション過程でヒントとパズルが出題。それらを解くと「次の都市にあるミッションのパスフレーズ」が入手可能
  4. ミッションを完了すると報酬のコードの一部が貰え、それらを全部合わせると勝利条件となるメディアが貰える

蓋を開けてみると「SIXTEEN TWELVE TEN」とはIngressを使用した大規模な謎解きでした。出題されるのは全国5都市であり、そこから出されるパズルとヒントが次の都市の問題の回答になるという企画です。さらにヒントは日本全国に散らばるポータル。つまり日本にいる全てのエージェントがこのイベントに触れる機会が存在しました。

また、同時進行で伊藤園自販機に隠されたクルー(Ingressストーリーの登場人物)のカードを探すイベント「#FindTheKlue」も開催されていたのも特徴です。

つまり、12月10日に行われたイベントは2本立てであり且つどちらもスキャナーさえあれば誰でもどこでも参加できるものだったのです。

では、具体的に謎解きイベントのフローを紹介します。

イベント前

公式が発表したものはイベント名と日時と意味深な画像のみ。実はNianticの告知はその殆どが謎解きに近いものなのですが、今回は予告自体がイベントの企画と合致していました。画像には5つの公園らしきもの。つまり当日はここに集まって欲しいことを示唆していました。もちろん公式からはその公園の名前は一切出されず、ぜんぶ自分たちで探し当てる必要があったのは言うまでもありません。謎解きは既に始まっていたのです。

また、追加情報ではこのイベントがミッションであることとパスワードが入手できることを予告しました。

しかしこれだけでは殆どの人には意味がわかりません。仮に集合場所がわかっても何をするのか最後まで右往左往した人もいるくらいです。さらにいえば、このイベントは日本全国で行われることが関係者の発言から予想されたわけですから、さらに意味のわからないものだったと思います。

結論をいえば、イベントの最大の武器は情報収集網だったのです。スキャナーだけではなく地域の人との連携や独自のソースによって様々な情報を得る必要がありました。

当日の概要

当日は午前中に#FindTheKlueのイベントがあったのですがこれは割愛します。

大まかなことに関してはこちらの記事が最も参考になると思います。では具体的にどんなことをすべきだったのか。それを図解にします。

ミッション発生とクリア条件

ミッションが連携している

私は当日、東京にある日比谷公園にいました。そのとき既に熊本と大阪ではイベントが始まっており、こちらでも14時になったらミッションが発生することが広く伝わっていました。そして14時ぴったりに日比谷公園入り口を起点としたミッションが出現。予想を外れて公園外をひたすらめぐるミッションに挑みました。私的にはこれが1年半ぶりのミッションであります。

ミッションは総距離2〜3キロほどでしたが途中のポータルはパスフレーズを入力しなければならない仕様です。さらにwaypoint(通過ポータル)をハックするたびに特殊なmediaを5つ入手でき、それらは1つのパズルと4つのポータル画像でした。このパズルは意図的な欠如が見られており、ヒント画像のポータルをハックすることでその欠如を埋めることができます。

最初勘違いしていましたが、ここで出されるパズルとヒントは東京ミッションのものではなく、次の仙台のミッションのパスフレーズです。つまり、先に大阪で出題されたパズルの答えが解かれない限りは東京のミッションは完遂できず、東京のパズルが解かれないと仙台ミッションも進めないのです。

全国のエージェントが参加できるという意味

パズルとヒントの意味

Nianticのイベントの多くは現地に実際に行かないと参加できない形態がほとんどです。しかし今回は日本全国にいる方が参加できる方式であり、とても画期的だと個人的に思いました。

特に重要なのは、パズルのヒントです。これはポータルの画像や添えられた名称のみをヒントに実際のポータルを探す「ポータルハント」でした。

ミッションの過程で入手したmediaにはポータルとその名称が振られた画像へのアドレスがありました。パズルの欠落した部分を補うためには、この画像のポータルに実際に行きハックしてメディアを入手する必要があるのです。つまり、ミッションに実際に参加している人だけではこのイベントは成立せず、ヒント画像にアクセスできるエージェントの存在が非常に重要になってきます。

あなたの所属している地域コミュニティにも不思議な画像とポータルへ行ってほしいという指令が来たのではないでしょうか?

大きな形式としてはミッションでしたが、その実体は謎解きと全国のエージェントとの連携・協力が主題です。謎解き自体もとても面白いものでした。参加できなかった人も是非やってみてはいかがでしょうか。

感想

今回のイベントは、Mission+パズルによる謎解き+ポータルハントという今までにない複合イベントでした。アノマリーのようなドンパチがなくてびっくりした人もいると思います。現地に行ったのに何も説明なく途方に暮れた方もいるのではないでしょうか?

一方で、現地以外の人でもパズルを解いたり画像からポータルを特定するというミニイベントが発生したとても位置ゲームらしい企画だったと思います。

そして今回のSixteen Twelve Tenに関して自分なりに良かった点と悪かった点を考えてみました。

良かった点
長時間の現地滞在が少なく、移動も小規模だった
都市間の連携が必須であり、個人プレイではなく全国との協力プレイがより楽しかった
謎解きがとても凝っている
悪かった点
そもそもの告知がポータルハントなので敷居が高い
アノマリーのようにソロの人が気楽に参加して楽しめるイベントではなかった
全体像が見えないと自分が何をしていいのか全くつかめない

総じて言えるのは、アノマリーとは別種のイベントでありかなりコアユーザー向けであったということです。いつもならば陣営ごとにフライヤーが作成されてソロでも物資さえあれば楽しめるのですが、今回は情報量自体が極端に少なく当日になって初めてわかるという高難易度でした。ゆえに謎解きやポータルハントが好きな人にはタスクが集中し、逆に現地に行ってもすることが殆どないという矛盾も発生していたと思います。

しかしそれでもこういうイベントは一度でも経験すべきだったと思います。特にこのイベントによって、Ingressにパズル要素があることが公になったのは最大の功績でした。これによって多くの人がポータルハントに興味を持っていただけることを期待しています。