ヴェルズビュートを使うときには注意が必要
《励輝士ヴェルズビュート》の全体破壊効果はとても強力です。
でも間違いやすいのが「この効果を発動したターン、相手プレイヤーが受ける全てのダメージは0になる。」という部分です。
結論を言うと、ヴェルズビュートの全体破壊効果は、既に戦闘ダメージや効果ダメージを相手に与えているターンにも発動できます。もちろん不発になることはなくフィールドを焼きつくすことが可能です。
どうしてかというと、ヴェルズビュートの効果処理によってそのターン中のダメージがゼロになるだけであって、ダメージを与えたら発動できないという誓約効果ではないためです。
《強欲で謙虚な壺》が特殊召喚を封じるのが誓約効果なのとは真逆ですのでそれと併せて解説します。
ヴェルズビュートと強謙の違い
ヴェルズビュートは「発動した」ターン
- 励輝士ヴェルズビュート/Evilswarm Exciton Knight
- エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/悪魔族/攻1900/守 0
レベル4モンスター×2
相手の手札・フィールド上のカードを合計した数が
自分の手札・フィールド上のカードを合計した数より多い場合、
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。
この効果を発動したターン、相手プレイヤーが受ける全てのダメージは0になる。
この効果は自分のメインフェイズ時及び相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる。
大事なのはマーカーを引いた部分です。「発動したターン」とありますね。つまり、相手が受けるダメージが0となるのはこのカード効果によって適用されるということです。
相手プレイヤーに戦闘ダメージや効果ダメージを与えたターンでもヴェルズビュートの効果は発動でき、以降からダメージが0となる効果が適用されます。発動するための条件や誓約ではなく、あくまでも破壊処理の一部としてダメージを0にするのです。残存効果の一種ですね。
なお、既に発生しているダメージまで0になるわけではありません。初心者で勘違いする人がいます。
- Question
- 相手プレイヤーに戦闘ダメージや効果ダメージを既に与えているターンに、「励輝士 ヴェルズビュート」の効果を発動する事はできますか?
- Answer
- 相手プレイヤーに戦闘ダメージや効果ダメージを既に与えているターンでも、「励輝士 ヴェルズビュート」の効果を発動する事はできます。
「励輝士 ヴェルズビュート」の効果適用後に、相手が受ける全てのダメージは0になります。
強欲で謙虚な壺は「発動する」ターン
- 強欲で謙虚な壺
- 通常魔法
自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選んで手札に加え、その後残りのカードをデッキに戻す。
「強欲で謙虚な壺」は1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン自分はモンスターを特殊召喚できない。
一方、強謙は違います。このカードを発動した場合には、そのターン中に特殊召喚ができません。そしてさらに「特殊召喚を行ったターンに強謙を発動することはできません。」
特殊召喚ができないのは「誓約効果」です。つまり、強謙を使うならば特殊召喚を行えず、特殊召喚を行ったなら強謙は使えません。
ヴェルズビュートによるダメージが0になるのが、効果処理に当たるのとは全く異なります。
ヴェルズビュートによる「ダメージがゼロになるという効果」について
発動や効果が無効になった場合には、ダメージが0になる効果も適用されません
ヴェルズビュートの効果にチェーンしてエフェクト・ヴェーラーやスキルドレインを使うと、全体破壊が無効になります。また、それに付随するダメージを0にする効果も無効になってしまいます。
相手にしてみると全体破壊を封じるか、戦闘や効果ダメージを封じるかのどちらかを選ばなければいけません。
なお、発動して破壊が適用されてからスキドレなどで無効にしてもダメージは0のままです。
剣闘獣のバトルステップ終了時の効果も発動できます
ヴェルズビュートによる全体破壊を行ったターンは戦闘ダメージも効果ダメージも相手に与えることはできません。しかし、それは戦闘を行えないやダメージを発生するカードを発動できないというわけではありません。
ヴェルズビュートの効果を発動後に、剣闘獣などで攻撃してもそのリクルート効果を発動することができます。なぜなら、ダメージ計算は必ず行うからです。その中で相手プレイヤーに戦闘ダメージが発生しないだけであって、戦闘そのものは発生しています。
相手モンスターを戦闘破壊することはできます
全体除去発動後に相手がモンスターを展開したとして、そのモンスターを戦闘で破壊することができます。戦闘によるモンスターが受けるダメージは0になりません。なくなるのはあくまでも「相手プレイヤーへのダメージ」だからです。
相手が自爆特攻したりライフダメージを受けるカードを発動してもゼロになります
自爆特攻を相手がしてきても、その戦闘ダメージはなくなります。また、自身への効果ダメージが発生するカードを使ってもそれが0となります。
例えば《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》による効果ダメージも相手は受けません。
当然、ライフコストは発生します
神の宣告や警告などのライフコストが軽減されるわけではありません。ライフコストはあくまでもコストであって、効果ダメージには含まれないからです。
ヴェルズビュートの効果にチェーンしてラグナインフィニティの効果を発動できます
ヴェルズビュートによるダメージが0になる効果は、破壊処理後に適用されます。つまりこのヴェルズビュートの発動にチェーンして効果ダメージを与えるカードを使うこともできるというわけです。
例えば、ヴェルズビュートのチェーンして《CNo.103 神葬霊嬢ラグナ・インフィニティ》の効果を発動してダメージを与えつつ除外することも可能です。(それにどれだけの意味があるかはわかりませんが)
まとめ
- ヴェルズビュートによる破壊処理が行われた後で相手が受けるダメージが0となる
- 破壊効果の処理前にダメージが発生していても問題なく発動も処理も行える
- 破壊効果が無効になった場合には、相手はダメージを受ける
- 戦闘を行えない効果ではない。また、モンスターの戦闘破壊も可能
- 全体破壊の処理前ならば、効果ダメージを与えるカードを使ってダメージを与えられる
こう考えるとヴェルズビュートは非常に使い勝手がいいことに気が付きます。全体破壊が優秀なことは言うまでもなく、それが無効になったとしてもダメージは与えられるため、デメリットとなり難いのです。
余談
ヴェルズビュートはローチの進化系のような印象がありましたが、圧倒的な高性能を誇る万能選手です。制限になるほどとも思えない、ある意味絶妙な立ち位置ですね。高価なのが痛いですが。
ただ残念なのはその外見ですね。遠目からは仮面ライダー風ではありますが、元ネタは「蝿の王」つまり「ハエ男」です。いつか乗り物をテーマにしたカテゴリーが出てきたら、このカードと光と闇の龍を合わせて【ライダーデッキ】でも作ってみようかなと思います。
さて、内陸ではひどい寒波なので十分に注意してください。
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