優先権という言葉はその昔、モンスター効果の発動とよくセットで言われていました。それは起動効果をモンスター召喚直後に使えたからです。
以前のルールでは、フィールドにモンスターを出した直後にそのモンスターまたは他のモンスターの起動効果を発動することができました。このときに優先権の概念を使うため、優先権=起動効果のように思っている人がいるかもしれません。
マスタールール2と旧ルールの違い
現在の遊戯王のルールは「マスタールール2」です。その前にあったマスタールール(以下、無印ルール)と比べるとエクシーズ召喚の追加が大きいのですが、同時に起動効果の発動も厳格になりました。
無印の時代、モンスターの起動効果は召喚・特殊召喚直後に使用が可能でした。例えば《ダーク・アームド・ドラゴン》を特殊召喚したとき、相手は奈落の落とし穴を発動してそれを破壊したいとします。しかし、このダムドの特殊召喚直後にそのダムドの破壊効果を発動することがプレイヤーは可能だったのです。
それがマスタールール2になってから、起動効果を発動できるのは召喚直後に行える処理が終わった後となりました。これによって、ダムドを出しても即座に効果を使うことが出来ず、相手のカードに邪魔されやすくなってしまったのです。
それがどうして優先権と関係があったのか
この「優先権」はプレイヤーに与えられる権利のことです。モンスターの起動効果は大嵐などと同じスペルスピード1のカードです。これらを発動するためには、双方のプレイヤーが優先権を放棄して(行動をリセットして)しなければいけません。
しかし、「例外的に」モンスターの召喚直後にターンプレイヤーに起動効果発動の優先権が与えられていたのです。
当時、これを単純に「優先権を行使!」などとよぶことがありました。そしてそれが「優先権=モンスター効果」という誤った認識につながりました。
起動効果の優先権が召喚直後にあるとどうなるのか
本来のルール通りならばこのタイミングに起動効果の優先権はありません。しかし、どうやらモンスター効果を有利にする方針であったらしく、通常魔法とおなじ扱いのはずの起動効果をまるで誘発効果のように扱えたのです。
これによって得をするのは圧倒的にターンプレイヤー側です。
なぜならば、本来互いに行動を確認した後でしか発動できないこの効果を、相手の行動を確認することなく最初から発動して良いためです。
これによって召喚直後のモンスターは、相手の落とし穴などの発動より先に効果を使うことでアドバンテージを増やすことが可能でした。しかしこれは誘発効果との相違が殆ど無い上にターンプレイヤーにだけ有利という理不尽かつ杜撰なルールでした。
現在のルールでは廃止
当然、マスタールール2では廃止されています。
現在の起動効果は、必ず双方のプレイヤーがすべての行動を終えてリセット状態になったところから発動が可能です。
つまり、召喚直後に双方のプレイヤーが行えるのは
- 誘発効果(またはそれと同等の魔法・罠の効果)の発動
- クイックエフェクト
のみとなりました。
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