ここではチェーンを組む際に使用される「チェーンブロック」という言葉の意味を解説します。
チェーンブロックとはチェーン上の発動そのもの
「チェーンブロック」とはチェーン上にある1つ1つの発動のそのものを指します。逆に言えば、「チェーン」とはチェーンブロックを並べたもの全体を指すのです。
例えば、あなたが《サイクロン》を発動して、それを相手が《魔宮の賄賂》で無効にしようとします。この場合のチェーン処理は以下の様な処理方法をします。
- 【発動時】
- チェーン1:サイクロン(これがチェーンブロック)
- チェーン2:魔宮の賄賂 (これがチェーンブロック)
- 【効果解決時】
- 処理1:魔宮の賄賂でサイクロンの発動を無効化
サイクロンの破壊効果も賄賂の無効化効果も、発動する効果です。よって各々はチェーンブロックをつくりチェーン上に存在できます。このようなものを「チェーンブロックをつくるカード(効果)」と呼称します。
どうしてこんな遠回しの言い方をするのかというと、「チェーンブロックを作らないカード(効果)」があるためです。チェーンブロックを作らないとは、つまりその効果はチェーン上の処理に乗らないことを意味します。
チェーンブロックが発生しないとは
チェーンブロックが発生しないカードは、チェーン上の処理とは別に扱います。よくわからないと思いますので、具体例をいくつか上げましょう。
- 永続効果
-
- サイコショッカーの罠カード無効化効果
- 大天使クリスティアの特殊召喚の無効化効果
- 暗黒界の門の攻撃力上昇効果
- 一連の処理としての残存効果
-
- ゼンマイラビットのスタンバイフェイズに戻る効果
- 思い出のブランコの墓地に送る効果
- W星雲隕石のエンドフェイズ効果
いまここに《暗黒界の門》が表側表示であるとします。暗黒界の門には悪魔族モンスターの攻撃力を300ポイントアップする効果があります。
いま、《リビングデッドの呼び声》を2枚チェーンして発動して墓地の《ユベル》と《暗黒界の龍神グラファ》をそれぞれ特殊召喚したとします。
- 【発動時】
- チェーン1:リビングデッドの呼び声→ユベルを対象に選択
- チェーン2:リビングデッドの呼び声→グラファを対象に選択
- 【効果解決時】
- 処理1:グラファを特殊召喚 (このとき、門の効果で攻撃力300アップ)
- 処理2:ユベルを特殊召喚 (このとき、門の効果で攻撃力300アップ)
ここで大事なことは、門による攻撃力上昇効果とリビデ2枚のチェーンは無関係だということです。遊戯王ではチェーンしたカードを逆順に処理するのが基本。暗黒界の門は先程のチェーン上にはありませんよね。でもリビデの処理途中に割り込んで悪魔族の攻撃力を上昇させました。
このようにチェーンブロックを作らない永続効果は、チェーン処理上になくても常に効果を適用することができます。
チェーンブロックを作らない効果に対してはチェーンが出来ない
もっと実用的な例をだします。先程の例で《ゼンマイラビット》のスタンバイフェイズに戻る効果はチェーンブロックを作らない、と言いました。
実はゼンマイラビットが除外ゾーンから戻ってくるときにそれを天罰などで無効にできません。ゼンマイラビットの戻る効果にはチェーンブロックが作られず、天罰がチェーンするものがないからです。
天罰はモンスター効果の発動の直後にカードを発動し、直前のモンスター効果の発動を無効にするカードです。発動するためにはそれが発動するモンスター効果=チェーンブロックをつくる効果である必要があります。
ゼンマイラビットによる除外効果そのものは発動する効果です。これに対して天罰を発動することは可能です。しかし、ラビットの帰還効果は除外効果の延長上にあるため、あらためてチェーンブロックをつくることはありません。よって、天罰を発動するためのきっかけが存在しないのです。
最後に
チェーンブロックは用語としての優先順位は高くありません。しかし、チェーンブロックをつくるかどうかは様々な問題に絡むために用法を覚える必要があります。
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