《強欲で謙虚な壺》と《同胞の絆》の違い ~無効にされても特殊召喚できないのはどちらか~

会社に泥棒が入った

強欲で謙虚な壺/Pot of Duality》(以下、強謙)って最近あまり使われていないですね。デッキをいじるよりは、特殊召喚をガンガンしたほうが良いサーチもできるデッキが増えたのがその原因でしょうか?あまり知りませんが。

さてさて、今回はこの強謙ともう一つ《同胞の絆》についてです。

両者の共通点として「特殊召喚が行えない」というのがあります。ただし、強謙は「カードの発動のための誓約」であるのに対して、同胞の絆は「カード効果の一部」です。似たようで実は結構違います。というか全くの別物と思ってください。

  1. 特殊召喚を行ったあとで発動できるのは「同胞の絆」
  2. 強謙の発動にリビデはチェーンできないが、同胞の絆に対してならばできる
  3. 効果を無効にされた場合に特殊召喚ができるのは「同胞の絆」

「このカード(効果)を発動するターン」は誓約効果

同胞の絆のテキストは「バトルフェイズを行えないという誓約効果」と「特殊召喚できないというカード効果」の2種類があります。

同胞の絆
同胞の絆
【通常魔法】 このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。 (1):2000LPを払い、自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。 このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。

誓約効果」はカードの効果ではありません。効果外テキストの一部をそう呼称しています。同胞の絆の場合には、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えないという効果外テキストがあります。これは、発動のための条件であり発動後も続く誓約効果です。最新のテキストでは、数字よりも以前に書かれているので判別がしやすいですね。

逆に、モンスターを特殊召喚できないというのは、カード効果の中身に含まれています。つまり特殊召喚できなくなるのはあくまでもこのカードを発動して効果を処理したあとに適用されるということです。

  • 数字よりも前に書かれた「このカードを発動するターン〜」というのは誓約効果
  • 数字の中に含まれているのは「カードの効果処理後に適用されるもの」

特殊召喚を行ったあとに発動できるのは同胞の絆。強謙は発動自体ができない

強謙には、(略)このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。という効果外テキストがあります。同胞の絆と異なり、こちらは誓約効果です。

例えば《死者蘇生》を発動してモンスターを特殊召喚したとします。このターンには特殊召喚を行ったという事実がターンプレイヤーに発生しているため、強謙の誓約効果である「このカードを発動するターン特殊召喚できない」という部分をクリアできず発動が不可能になります。また、強謙を発動した場合にも特殊召喚ができなくなります。

誓約効果は、それを行うための条件でもあり、同時にその後に発生する縛りでもあるのです。

強謙の誓約効果は発動の前後に影響する

一方、同胞の絆による「特殊召喚ができない」とはカード効果の一部に過ぎません。そのターンに特殊召喚を行っていたとしても、発動の条件には当てはまらないので問題なく発動し効果を適用できます。また、別のカードによって特殊召喚が行えない場合でも効果は適用されます。

  • 誓約効果は、発動条件であり、発動直後から発生する縛りである
  • カード効果による「〜できない」は発動条件ではない

強謙にチェーンしてリビデを発動できないが、同胞の絆にはチェーンできる

《カメンレオン》の裁定にこういうのがあります。

「カメンレオン」の効果を発動する場合、自分は『このカードの効果を発動するターン、自分はエクストラデッキからの特殊召喚及びこのカードの効果でしか特殊召喚できない』状態となりますので、チェーンして手札の「カゲトカゲ」の効果を発動する事はできません。 公式裁定

誓約効果は発動の前後に影響します。発動前には特殊召喚ができず、その発動にチェーンして誓約効果に反する行為をすることさえ禁止します。なので、強謙にチェーンして《リビングデッドの呼び声》を発動することもできません。

一方、同胞の絆のカード効果の一部で特殊召喚を封じるだけなので、リビデをチェーン発動することもできます。「このカードの発動後〜」とあるのでチェーンできないように見えますが、実際には効果処理時から適用されます。

これは《マジカル・アブダクター》や《魔法都市エンディミオン》等の魔力カウンターを置くときの処理をイメージするとわかりやすいです。

  • 「特殊召喚できない」という誓約効果がある場合、それにチェーンして特殊召喚を行うカードを発動できない
  • カード効果によって特殊召喚ができなくなる効果にチェーンして、特殊召喚を行うカードを発動できる

効果が無効になった場合の違い

《魔轟神獣ユニコール》によって無効化されたとき、強謙と同胞の絆では扱いが異なります。

強謙の効果が無効になってもその発動が無効になっていないために、誓約効果は継続します。ですから、強謙がユニコールによって無効・破壊されても、そのターンには特殊召喚が行えなくなります。一方で、同胞の絆の効果が無効になった場合には特殊召喚が行えます。これは効果に特殊召喚をできなくするものが含まれていて、それごと無効になったからです。

ただし、《マジック・ジャマー》等でそのカードの発動自体が無効にされた場合には、誓約効果は適用されません。これは、発動しなかった扱いになるためです。

まとめ

効果外テキストにおける誓約効果とそれ以外のカード効果では扱いがまるで違います。誓約効果は発動条件であり発動後に誓約をかけるものですが、カード効果の一部になっているものは発動前の状態には基本的に依存しません。なんというか、実にプログラミングチックだなと思います。また、魔法・罠カードとモンスター効果でも違いがあるので、実際にはより複雑になります。