「発動を無効」と「効果を無効」の違い~ダメージステップに発動できる効果の種類~

こんな投稿を見ました。

クェーサーの効果はダメージステップで発動できるのに対し、シフルの効果はダメージステップで発動できないのはなぜですか?

という訳で今回はダメステにおける「発動を無効」と「効果を無効」の違いについて考えてみます。

発動を無効と効果を無効

クェーサーやスタダはダメステで発動できるがシフルやシューティングスターはダメステで発動できない

シューティング・クェーサー・ドラゴン》や《スターダスト・ドラゴン》は「効果の発動を無効」にするのに対し、《聖珖神竜 スターダスト・シフル》《シューティング・スター・ドラゴン》は「効果を無効」にする効果です。

シューティング・クェーサー・ドラゴン
シューティング・クェーサー・ドラゴン
1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する事ができる。このカードがフィールド上から離れた時、「シューティング・スター・ドラゴン」1体をエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
聖珖神竜 スターダスト・シフル
聖珖神竜 スターダスト・シフル
(2)1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。その効果を無効にし、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。

一見同じようですが、前者はダメージステップに発動できるのに対し、後者はダメージステップでは発動ができません。つまり、《A・O・Jカタストル》の効果を無効にできるのは、クェーサーやスタダということになります。

ダメステに発動できるもの

個別に見ると難しく感じるのですが、実は大本のルールを理解していると決して難しくありません。

ダメージステップを理解するためにパーフェクトルールブックの項目を確認してみましょう。

ダメステには原則としてカードを発動することができませんが、以下の様な例外があります。

ダメージステップに発動できる効果
  • カウンター罠
  • カード・効果の発動を無効にする効果
  • モンスターの攻撃力・守備力を増減させる効果
  • 必ず発動する効果
  • リバースした時に発動するモンスター効果
  • 自身が特殊召喚に成功した時に発動するモンスター効果
  • 自身が破壊された時や除外された時、手札に加わった時に発動する効果

パーフェクトルールブック2016 P.166

クェーサーやスタダは「効果の発動を無効」にするので2番目の項目に該当します。しかし、発動を無効にできないシューティングスターやシフルは該当せず、ダメステに発動できないことがわかります。使い方は同じでも、発動を無効にするかどうかで扱いが全く違うようです。ここで注意すべき点として「破壊するかどうか」は無関係、ということです。

他のカードも見てみよう

幽鬼うさぎ

例えば《幽鬼うさぎ》は「カードを破壊する」だけのモンスター効果です。攻守増減効果があるわけでもありませんし、発動を無効にもしないため、このカードはダメステでは発動できないことがテキストから判明します。スタダ等と同じく発動にチェーンする効果ですが、発動できる範囲はシフル等と同じです。

不乱健
神竜騎士フェルグラント

他にも《No.22不乱健》や《神竜騎士フェルグラント》のような「効果を無効」にするだけの効果もダメステでは発動ができません。

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン

一方、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》や《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》は「発動を無効」なので、ダメステで発動が可能だといえます。

念のため、公式裁定もチェックしておきましょう。

なんで「効果を無効」がダメステで使えないのか

さて、なぜ「効果を無効」だけではダメステで発動できないのか、と考えてみましょう。同じ誘発即時効果であっても発動タイミングが限られるのは、恐らくそれが「自発的に使えるかどうか」が由来だといえます。

スターダスト・ドラゴンやクリアウェイングは相手の破壊効果が発動しないと無効化を使えません。一方、神竜騎士フェルグラントは相手が発動するかを気にせずいつでも使うことが可能です。つまり、これらを差別化する意味でダメステにおける発動制限をかけたものと推測できます。

なお、シューティングスターに関しては完全なとばっちりです。スターダストやクェーサーと同じように、無効にする効果に直接チェーンするにも関わらず、他の「効果を無効」と同じ基準を適用されたからです。

裁定を覚えるよりルールを覚える

ここで大事なのは、カードごとの裁定を覚えるのではなくダメージステップに発動できるカードの種類を把握すること、です。カード1枚づつの裁定を覚えていては埒が開きません。「シフルが無効にできるものとクェーサーが無効にできるもの」という考え方ではなく、ダメステとしてのルールを理解するのが遊戯王をより良くプレイする秘訣です。

今回の場合、ダメステで使えるパターンは「発動を無効にする」効果だと覚えればあらゆるカードに対して適合できます。