サイクロンでカードを破壊しても効果を無効にしているわけではありません

遊戯王のルールの中で頻繁に登場する「破壊と無効は違う」という話。遊戯王を始めたばかりの頃は何を言っているのかわからないものでした。相手の発動したカードを破壊して無効化出来ないというのは直感に反するものですが、理解すると難しいわけではありません。ここではその概要を簡単に説明します。

発動した通常魔法や通常罠を破壊しても効果は無効にはできません

よく「サイクロンで相手の発動した魔法・罠カードを破壊したのに効果を使われてしまった」という質問を見かけます。例えば相手が《月の書》を発動してそれにチェーンして自分が《サイクロン》を発動。すると処理は以下のようになります。

チェーン1
月の書(対象:No16色の支配者ショックルーラー)
チェーン2
サイクロン(対象:月の書)
処理1
サイクロンで月の書を破壊
処理2
月の書でショックルーラーを裏守備にする

チェーンを組んだ場合、最後に発動したサイクロンの方から処理が行われます(逆順処理)。サイクロンで月の書を破壊しますが、破壊した月の書でモンスターは裏守備になってしまいます。ここで大事なのはサイクロンが破壊したのはカードですが、発動した効果を破壊したわけではないということです。

モンスター効果にも同様のことがいえます

ショックルーラーがモンスター効果を封じる効果を発動し、それにチェーンして月の書を発動。これも処理は月の書から行われますが、ショックルーラーが裏になるだけでその効果が無効になったりはしません。

チェーン1
ショックルーラー(モンスター効果を指定)
チェーン2
月の書(対象:ショックルーラー)
処理1
月の書でショックルーラーを裏守備にする
処理2
ショックルーラーによって次のターンエンドまでモンスター効果を発動できない

ショックルーラーというカードそのものが裏になったとしても、そのカードが発動した効果に影響はありません。破壊とは違いますが、これもサイクロンの例と同じことなのです。

注意点

サイクロンで割れるのはあくまでもカードだけです。月の書もモンスターを裏守備にするだけで効果そのものに干渉することはありません。

しかし、永続効果等は破壊されたり裏になると適用できません。例えば《炎舞-天璣(天キ)》の発動にチェーンしてサイクロンで割ると、天キのサーチ効果は無効になります。永続魔法はフィールド上に存在しないと効果が適用されないためです。他にも月の書や地砕きなどで《サイコショッカー》をフィールドから表側でなくさせれば永続効果は消えます。

無効にするわけではなく、除去することで間接的に効果が適用されない、ということです。