今回はIngress勢からみた「ポケモンGo」についてちょっとだけお話します。そう、テスターの間で球投げゲームと揶揄呼称されていたあれです。
ここ連日連夜「ポケモンGo」について大量の報道がなされ、個人ブログ界隈でもホッテントリが続出しています。それこそ、1日ポケモンGoの話を聞かない日はないほどに。自分が以前書いた記事は全く注目されていませんが、時期が悪かったのでしょう。
さて各種報道やブログ等で紹介されるときに共通するのが
- Ingressというゲームが云々
- アメリカで人気爆発
- 事件事故が多発しています
もうわかったから。同じことを繰り返さないで。
しかもIngressとの対比をしていたとしても、その多くはIngressそのものを何も理解していないかネットの受け売りを垂れ流すだけと、大変に気持ちが悪いものです。マトモにIngressをプレイしたことのない人が書いていたり、途中で飽きて辞めた人だったり、そもそもどちらも知らないけどバズるから書いているだけだったり。
もういいですから!
では、AG(Ingressプレイヤーの呼称)はこのゲームをどう見ているのでしょうか。とりあえず、現役のAGとしてのナマの声です。(※個人の意見です)
目次
テスターから見たポケモンGo
テスターからの下馬評は散々でした。それが今はツイッターを押しのける超人気アプリ。ほんとうにわからないものですね。
ポケモンGoは今年の4月前後からフィールドテスターと呼ばれる人たちが事前プレイをしていました。その多くがAGであり、およそ3ヶ月ほどのテストプレイを経たのちに現在リリースされています。このテスターの方々に当時のポケモンGoの評価を聞けば、ほぼ一様に「つまらない」と答えるでしょう。それはなぜか。
位置ゲーに慣れたユーザーには物足りない
理由は、AGからすればポケモンGoはIngressの劣化にしか写らず、ポケモンの派生だとしても中途半端だからです。なお、全てのAGがそう感じているわけではないということは言及しておきます。楽しめた方々も実際にいるわけですから。
- 全体的に単調で飽きやすい
- 捕獲は達成感が得にくい
- バトルが非常に稚拙
- 一箇所に滞留しやすく位置ゲームとしての魅力に欠ける
- ジムを強化したり倒す意義があまりなく、ポータル情報を利用するために無理やりつけられただけに思える
- ポケモンの派生というよりも、Ingressにポケモンというキャラクターをくっつけただけ
- 戦略性や、やりこみ要素がない
しかし、現実には世界各国で大ブームになっています。これはつまりテスターの意見が厳しすぎ、市場のニーズをに則していないことを意味します。Ingressとしてある程度長い自分にとっては位置ゲーは身近な存在です。そういう人にはポケモンGoの仕様は満足できるものではありません。そもそも、Ingressの派生であるにもかかわらずIngressの諸問題を解決していないのですから。
例えば、ポケストップやジムはそもそもIngressのポータル情報を利用してます。これらはAGの側からすると疑問符が多くでてきます。特に地方に少ないという欠点をそのまま引きずっている点は残念です。
その他にもたくさんあります。捕獲システムや、ジムでの戦闘、育成。これらがとてもしょぼく見えます。自分はAGと同時にポケモンを初代からずっとプレイしているポケモンファンでもあるため、ポケモンの派生作品として許せない場面がとても多いと感じます。特に対人戦が実質できないというのは片手落ち感が強いです。
テスターはIngressで鍛えられていたので一般ユーザーの視点ではそもそもなかった
しかし、これらテスター(自分を含む)の意見は杞憂でした。実際には多くの人々が「ポケモンが現実の世界で捕まえられる」という点をとって楽しんでいます。少なくともファーストインプレッションだけならば、一般の人にはとても楽しく映るようです。また、ポケモン自体に馴染みがない人たちにとっては、先入観なく遊べているようです。
テスターの意見が反映された項目も少なくないのですが、現実にはテスターの求める品質ではありませんでした。しかしマーケティング的には大成功です。厳しすぎる意見だけでは製品としては成り立たないわけです。
IngressとポケモンGoはどれくらい違うのか
全く違うゲームです。同じNianticが開発した位置ゲーではありますが兄弟の差よりも大きいものがあります。全然似ていません。
- Ingressの特徴
-
- 30代・アーリーアダプター・技術職(IT系など)の人が比較的多い
- 最初のうちはわかりにくい
- 人の集まりや移動そのものが戦略に結びつくため、Ingressを利用した様々な作戦やアートが盛ん
- 世界観はSFで固有のストーリーがある。ただしゲーム自体にはあまり関係しない
- レベル上げやコレクションがほぼ完全な自己満足で、ある一定レベル以上になれば古参と新参の違いがあまりない
- AR要素はほぼない。
- 自分で遊び方を考え発見していかないと続かない
- ポケモンGoの特徴
-
- ポケモンを多く集め、強くすることが目的
- 戦略性があまりない代わりに低年齢層にもわかりやすい
- 現在のところ協力プレイすることにあまり意味は無い
- ポケモンという確立された超人気コンテンツの要素を含んでいる
- レベル上げやポケモンの育成が楽しめる。これによって他者との差別化を図れる
- Ingressほど多くの移動を必要としない
- AR上でポケモンを捕まえるという楽しみがある
つらつらと挙げてみましたが、ポケモンGoがIngressのAPIを利用しているという点以外にはほぼ共通点はありません。ポケモンの予習のためにIngressをプレイしている人もいるようですが、正直あまり参考にはなりません。
とても簡単に言うと、IngressはITリテラシーの高い技術者層向け、ポケモンGoはソレ以外が対象です。とはいっても、Ingressでは普通の主婦やサラリーマンも多数AGがいるので必ずしも当てはまるわけではありませんが。
【追記】【Ingress】謎の生命体「イングレスおじさん」の正体【不審者情報】
ただし、両者に共通することがあります。外でプレイすることが多いために現実世界で発生する様々なトラブルに見舞われやすい点です。
Ingressは位置ゲーとしてある程度成熟しています。しかし対人トラブルは常に発生しており、ポケモンGoを実際にプレイするユーザー達はそれらを常に頭に入れておくべきです。
巷でいわれているIngressのうわさ話はあまりアテにならない
よくIngressの話題をすると「ストーカーにあった」「身バレした」というかなりネガティブな意見が拡散されやすいです。確かにそれらはよくあることです。ただ、それらはネットリテラシーだけの問題ではなく、位置ゲー特有の問題でもあります。また、そもそもリテラシーの低い人達にはどんな注意喚起や予防対策も難しいという側面があります。
位置ゲーあるある
とりあえず、自分が経験したり話を直接聞いたものは以下の様なことです。
- 公園や神社で職質された(3回)
- 遠くに行きすぎて迷子になりかけた。スマホ持っているのに
- 歩きすぎて疲れる
- バッテリーが消耗するのでモバイルバッテリーを常に携行するようになった
- 自転車を買った(2台)
- ゲーマーというよりは技術系の知り合いが大量に増えた
- おかしな人に後をつけられた
これらに共通するのは屋外で遊ぶことを起因としていることです。
職質は本当によく発生し、AGの中には警察官から顔を覚えられる人も少なくないようです。
原則、歩きか自転車移動になり、そしてかなり遠出することが多いです。そのため1度のプレイが長時間になることもしばしばです。そのためバッテリーは常に携行しています。
神社・寺がポータルになる例が多いためか、Ingressお断りの張り紙をする場所もありました。また、自分はお寺の管理者から数度声をかけられたことがあります。同じプレイヤーから突然話しかけられることもしばしば。端から見れば不審者ですから。
自転車に関してはいわゆるリアル課金です。Ingress界隈ではゲームに課金するより、実際にアイテムを購入するリアル課金への投資が盛んです。モバイルバッテリーやガソリン代はその代表です。
位置ゲーはたくさん歩くゲーム
ポケモンGoから位置ゲームというジャンルに入った人の多くが理解していないことだと思いますが、IngressやポケモンGoは屋外を出歩くゲームです。そして近所の公園や神社といった特定のスポットに実際に訪れるという動作が必然的に発生するのです。位置ゲー自体を理解していない人たちは、歩く行為をただの歩数カウントのためと思い込んでいる場合が多いようです。Ingressに飽きた人の意見として、歩くのが嫌になった、という話をよく耳にするのはそのためです。
建物の中でもできなくはありませんが、基本は外に出て多くの場所を訪れるのが原則です。だからこそ、普段訪れなかった場所に頻繁に出入りしたり、人によっては日に10km以上も歩くことがあります。モバイルバッテリーが必要というのは本体が熱くなるからという理由だけではありません。
多分日本人の87%が「ポケモンがスマホで遊べる」という認識で、まさか「モバイルバッテリー常備が必須で一日5km徒歩が当たり前」なIngressをベースに作られたゲームと理解してない人が多い方に50ピカチュウ
— Toku_Hero (@Toku_Hero) July 20, 2016
位置ゲーは自分の位置・個人情報を切り売りするゲーム
Ingressを含めた位置ゲーは、自身の位置情報を全世界にリアルタイムで公開してしまう性質があります。また、誰がプレイヤーかを判断する要素はとても多いため、全く知らない人から突然「AGさんですか?」と直に声をかけられることもあります。ポケモンGoでも同じです。これはなかなか防ぎようがありません。
巷には、IDに注意しろだとかメールは変えろだとか様々なアドバイスがあります。しかし、そういうことをしていてもリアルで接する機会がとても多いIngressのような位置ゲーでは対処療法にはあまりなりません。本名がばれないだけで顔や行動範囲が相手にわかってしまうからです。ポケモンGoでも当然起こりうるでしょう。
対処方法は自己防衛意識を高めることくらいです。自宅付近でプレイしないというのは基本ですね。
ただ、ポケモンGoで一番怖いのは対人トラブルもそうですが、単純な事故です。特に交通事故や転落などが多くの地域で発生すると思われます。また、集団でたむろすることで神社や個人宅等に迷惑になることもあるでしょう。
ポケモンGoはどこからダウンロードすればいいのか
アプリの検索画面からだと辿りつけないはずです。原則として、Niantic(ポケモンGoの開発元)のサイトから直に飛んだほうが良いと思われます。
http://pokemongo.nianticlabs.com/ja/
ポケモンGoのために何をすればいいのか
自分を含め、周りのテスターには不人気です。ただ、位置ゲーを全然理解していない人たちがポケゴーを語っているのが不満なので筆をとりました。以下は、Ingressの観点からみたポケモンGoをする上でのアドバイスです。
- 端末
-
- 最新版のiPhoneかAndroid4.4以上を搭載した端末
- GPS精度の良い物がオススメ。基本iPhoneが良いとされる
- GPSがONになっていないと遊べない。また位置情報の設定で高精度を選ぶと良い
- 真夏は本体が暑くなりやすく、冬は寒さでバッテリーが落ちやすい
- モバイルバッテリーは安いものでいいので一つは携帯しておくと良い
- 位置ゲーに関して
-
- どんなに注意しても位置ゲーをしている以上は自分の現在地を他人に教えているものと考える事
- 1日数キロも歩くことがよくある
- ポケモンGoのユーザだけでなく、警察官等様々な人と接触する可能性が非常に高い
- ゲーム性
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- わかりやすいが、やや単調でやりこみ要素が少ない
- 現在は初期の150種近くしか存在しないが、将来的には増える予定(らしい)
- Ingressと比べるとカジュアルな位置ゲー
- 参考にしたいサイト
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- PokemoGo公式アカウント(ここの最新情報以外は全部ガセネタだと思ってください)
- 『ポケモンGO』初心者がおさえておくべきプレイ方法12個
- 『Pokémon GO』に学ぶ商標問題と、VRを面白くするために「もっと大事なこと」。
では最後にここまで読んでいただいた人にお伝えしておきましょう。このゲーム超つまらないからたぶん速攻で飽きるよ!
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