《深淵に潜む者》は「グラファ」や「ヴェーラー」に効果がない?

深淵に潜む者》を使う人が良く陥りがちなのですが、ヴェーラーやグラファの蘇生を無効にできると思っているようです。代表的なカードを使って、どんなものを妨害できるのか又はできないのかを解説します。

深淵に潜む者
【 遊戯王】 深淵に潜む者 ウルトラレア《 エクストラパック ソード・オブ・ナイツ 》 ep13-jp025
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻1700/守1400
レベル4モンスター×2
このカードが水属性モンスターをエクシーズ素材として持っている場合、自分フィールド上の水属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
このターン、相手の墓地で発動する魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
この効果は相手ターンでも発動できる。

1:ヴェーラーやオネストは手札発動なので発動されてしまう

エフェクト・ヴェーラー》《オネスト》《増殖するG》等は、自身を墓地に送ることで効果を発動します。効果処理時に墓地にあるので墓地発動に見えますが発動しているのは手札です。コストを支払った後のカードのある場所で発動するわけではありません。

深淵に潜む者 スターダスト・ドラゴン エフェクト・ヴェーラー

スターダスト・ドラゴンやカードカーDも通じない

スターダスト・ドラゴンの破壊無効化やカードカーDのドロー効果は、フィールド上で発動します。よってこちらも深淵に潜む者では防ぐことが出来ません。

他にも「子征竜(禁止カード)」や「親征竜」の、手札からモンスターを捨てて発動する効果に関しても、深淵に潜む者では対処ができません。例)[焔征竜ーブラスター]このカードと炎属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

2:グラファやマシンナーズフォートレスの墓地からの特殊召喚は発動しないモンスター効果

深淵に潜む者は「モンスター効果を発動させない」という効果です。つまり、モンスター効果の中でも発動するものだけに作用します。

暗黒界の龍神グラファ》や《マシンナーズフォートレス》は、召喚ルール効果という発動しないモンスター効果によって蘇生します。

対称的なのが「征竜」の特殊召喚です。

例えば《瀑征竜タイダル》は「ドラゴン又は水属性を合計2体除外して発動。手札・墓地から特殊召喚する」とあります。墓地にあるときにはこの特殊召喚が行えません。これは起動効果によるもので発動する効果だからです。手札にあればつかますが、そうでなければ自身の蘇生は出来ません。

3:墓地で発動した効果にチェーンしても意味がありません

例えば《水精鱗ーメガロアビス》が《海皇の竜騎兵》を捨てて効果を発動しました。メガロアビスが特殊召喚されて同時に竜騎兵の効果も墓地で発動します。この竜騎兵にチェーンして深淵に潜む者の効果を発動しても、竜騎兵の発動は無効になりません

深淵に潜む者はあくまでも「墓地で効果を発動させない」という防護壁を張るわけです。発動されてからでは遅いのです。また効果を無効にする訳でもありませんから、あらかじめ自身の効果を発動して墓地発動を事前に粗阻害する必要があります。

深淵に潜む者の効果を発動するのならば、相手がメガロアビスの効果を発動した時にチェーンすべきです。そうしなければ竜騎兵の発動前に効果を適用できないからです。

また、《スキル・プリズナー》や《ネクロ・ガードナー》は深淵に潜む者にチェーンして発動できるため、ほとんど意味が無いといえます。

4:深淵に潜む者が有効なカード

このカードは誘発即時効果ですから自分や相手の好きなタイミング(ダメージステップ以外)で発動ができます。また「このターン」という記述が地味に強力です。エンドフェイズに発動する効果をもろもろ使わせないというのがその理由。ですから以下のようなカードに効果的です。

深淵に潜む者が有効なカード
  • スターダスト・ドラゴンのエンドフェイズの蘇生効果(無効化はフィールド発動)
  • 征竜の墓地からの起動効果
  • BF-精鋭のゼピュロスの蘇生効果
  • 暗黒界の墓地効果(グラファの蘇生は除く)
  • 下級海皇の破壊やサーチ効果
  • 武神器ーヘツカの墓地からの無効化
  • リクルーター全般
  • 炎王神獣ガルドニクス等のスタンバイフェイズの蘇生効果
  • コアキメイルの鋼核のサルベージ効果
  • ブレイクスルー・スキルの墓地からの無効化効果

墓地発動は多々ありますが、ネクロ・ガードナーのように効果自体にチェーンするものもあり、すべての墓地発動に対して万能というわけではありません。しかし、主要デッキ対策として機能することがわかります。

まとめ

深淵に潜む者は強力なカードですが、やはり一長一短があります。

長所

  • 魔法・罠の効果に対応できる(現状は数が少ない)
  • 相手の墓地のカードにだけ適用する(スタダを奪っても安心して効果を使える)
  • 永続罠と違い、場に維持する必要が無い

弱点

  • 自身を手札やフィールドから墓地に送って発動する効果を防ぐことはできない
  • 召喚ルール効果による発動しないモンスター効果やルール効果には対応できない
  • 既に発動しているカードにチェーンしたり、自身の効果にチェーンした効果には対応できない
  • ソウルドレインと比較して、除外ゾーンで発動する効果には無意味
  • 元々の攻撃力が低い

いま、《深淵に潜む者》の採用率および価格が上がっています。特に【征竜】【水精鱗(マーメイル)】【暗黒界】【武神】等のデッキ対策として機能するようです。墓地発動が可能な魔法・罠の増加にともなって、ますますこのカードの出番は増えそうです。