《カゲトカゲ》や《ダーク・アームド・ドラゴン》（以下、ダムド）はともに「特殊召喚モンスター」です。これらのカードでよく質問にあがるのが「墓地に落ちたら死者蘇生などで特殊召喚できますか？」というものです。

じつはカゲトカゲは死者蘇生を条件付きで使えるのですが、ダムドはそれが不可能です。その違いとなんなのでしょうか？

ようは蘇生制限に関する基礎事項ですね。いままで、蘇生制限について解説してきましたが、ここでは蘇生制限を活用したカードの動かし方を実際に見ていきたいと思います。

ガジェットとカゲトカゲから学ぶ「手札誘発」のややこしさ

1:原則、特殊召喚モンスターは他のカードで特殊召喚できません

テキストに「このカードは通常召喚できない」とあれば特殊召喚モンスターです。これらは通常召喚の代わりに特定の方法で手札やエクストラデッキから出すことができます。《AOJカタストル》などのシンクロモンスターならば明記された素材を使ってシンクロ召喚しますし、カゲトカゲならば手札発動の効果で自身を特殊召喚します。

《カゲトカゲ》
効果モンスター
星４/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1500
このカードは通常召喚できない。
自分がレベル４モンスターの召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚できる。
このカードはシンクロ素材にできない。

このような方法が正規の手順です。本来、特殊召喚モンスターはこの正規の手順以外の方法で特殊召喚はできません。例えば《ゴブリンドバーグ》の効果でカゲトカゲを特殊召喚することはできません。また、フィルドを経由しないで墓地に送られたカゲトカゲやシンクロモンスターを、死者蘇生で特殊召喚は不可能です。

《ゴブリンドバーグ》
効果モンスター
星４/地属性/戦士族/攻1400/守 0

このカードが召喚に成功した時、手札からレベル４以下のモンスター１体を特殊召喚できる。
この効果を使用した場合、このカードは守備表示になる。

特殊召喚モンスターには蘇生制限とは別に手札やデッキ等からの特殊召喚にも制約があります。このことをまず念頭に置くのがポイントです。

2:正規の方法で特殊召喚すると蘇生制限が外れる場合がある

カゲトカゲは手札やデッキにある限りは他のカード効果で特殊召喚できません。ゴブリンドバーグ同様にキラー・トマトでも特殊召喚は不可能です。また特殊召喚モンスター故に蘇生制限があります。しかしこの蘇生制限を一時的に解除することが可能です。

手札やデッキ等から直接墓地に送られたカゲトカゲは、そのままだと死者蘇生やリビングデッドでフィールドに出すことはできません。しかし、正規の方法を使ってフィールド上に特殊召喚された後で墓地に送られると、そのカゲトカゲを蘇生することが可能となります。

Question

正規の手順を踏まず、手札やデッキから墓地へ送られた「カゲトカゲ」を、「死者蘇生」等の効果によってフィールド上に特殊召喚する事はできますか？

Answer

「カゲトカゲ」はテキストに記載された方法にて特殊召喚する、特殊召喚モンスターとなります。
したがって、正規の手順を踏まずに手札やデッキから墓地に送られた「カゲトカゲ」を、「死者蘇生」等の効果によってフィールド上に特殊召喚する事はできません。
また、正規の手順を踏んでフィールド上に特殊召喚した後、フィールド上から墓地へ送られた「カゲトカゲ」であれば、「死者蘇生」等の効果によって墓地から特殊召喚する事ができます。

【公式裁定】「カゲトカゲ」を「死者蘇生」の効果で特殊召喚できますか？(2012_07_20)

蘇生制限を意識するのがここです。本来墓地から出せないはずの特殊召喚モンスターを、正規の方法で出すことで蘇生を可能にしています。「蘇生制限が解除される」や「蘇生制限を満たす」といった表現をしますが、特に決まってはいません。

(ポイント1)正規の方法で特殊召喚に成功していないと制限は外れない

蘇生制限を外すには、正規の方法による特殊召喚に成功してフィールドに一度出ていないといけません。カゲトカゲならば自身の効果による特殊召喚でフィールドに出ることですし、シンクロ・エクシーズもそれぞれの特殊召喚に成功している必要があります。

逆に「正規の方法で特殊召喚に成功していない場合」には蘇生制限がかかったままです。

カゲトカゲの効果を発動し、それを神の警告で相手に無効・破壊されてしまうと手札から直接墓地に行ったことになります。これだとフィールドを経由していません。ゆえに蘇生制限がかかって死者蘇生が使えません。

エクシーズ召喚を宣告で無効にされた場合でも、特殊召喚できずにフィールドに出る前に破壊される扱いですから、この場合でも死者蘇生は使うことが不可能です。

(ポイント2)蘇生制限が外れても墓地から自己再生できるわけではない

《スターダスト・ドラゴン》のように自己再生効果を持っている場合は例外です。

《カオス・ソーサラー》のように墓地のカードを除外して特殊召喚できるモンスターが、フィールド上に出たあとで破壊されたとします。そのカオス・ソーサラーは別のカード効果で特殊召喚できるのであって、「カオス・ソーサラー自身の召喚ルール効果で墓地から特殊召喚することは出来ない」のです。このような召喚ルール効果は手札からの特殊召喚を指します。要注意です。

(ポイント3)一度蘇生制限を満たすと、手札やデッキに戻らない限りは蘇生制限は解除されたままになる

エクシーズに成功しその後破壊されて死者蘇生で再びフィールドに出た《NO.39希望皇ホープ》があります。このカードがさらに破壊されて墓地に行った場合でも蘇生制限はかかっていません。再びエクシーズ・リボーンなどの効果で特殊召喚できます。

蘇生制限を解除した特殊召喚モンスターは、墓地とフィールドを行き来する間は蘇生制限を受けません。これが手札やデッキ(エクストラデッキ)に戻ってしまうと一からやり直し。

3:ダムドなどのように蘇生制限を解除できないモンスターも存在する

これについては細かい解説が必要ですので、ここでは簡潔に解説します。

《ダーク・アームド・ドラゴン》効果モンスター（制限カード）
星７/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
[召喚ルール効果]自分の墓地の闇属性モンスターが３体の場合のみ特殊召喚できる。
自分のメインフェイズ時に自分の墓地の闇属性モンスター１体をゲームから除外する事で、フィールド上のカード１枚を選択して破壊する

フィールド上に出たダムドが破壊された場合、それを他のカードで特殊召喚できるかというとそうではありません。ダムドには手札から特殊召喚する以外にフィールドに出す方法がないためです。カゲトカゲと違って、召喚ルール効果に「〜のみ特殊召喚できる」とあるのがわかります。これは自身を特殊召喚する方法が1つしかないことを指しています。

このようなモンスターには「機皇帝」「霊神」「Sin(一部除く)」等があります。

まとめ

蘇生制限と召喚条件は違うものなのですが、似た系統をして説明したほうが自然だと思って書きました。蘇生制限は割りと単純な分野なのですが、状況が多岐にわたるのがやっかいです。色々とわかりやすく解説したいので、要望や意見がありましたらどしどしお寄せください。