タイトルに嘘偽りはありませんし、実際にあった出来事なんです。でも物語としてはあんまり面白くないです。伊集院光ならラジオで軽快なトークをしてくれそうなんですが。
- 3行でわかるあらすじ
- Ingress徘徊していたら酔っぱらいと遭遇
- 家までと送り届けようとしたら意味不明な場所まで案内される
- 最終的に国家権力の力で解決
結論を言うと、酔っぱらいを介抱した、という話です。しかも相手は美女やイケメンや金持ちでもないただのおばさんです。Ingressはただのきっかけでしかありませんし、Ingress自体が役だったわけでもありません。ここからわらしべ長者や鶴の恩返しのような展開になるわけでもないので、話半分で聞いてください。
『あ、野生の酔っぱらいが現れた!』
いつものようにIngress徘徊をしていました。地域の見回り大方すんで次のポイントに行こうとします。時刻は夜中の0時過ぎ。雨がしとしとと降り始める中、夜道にふと不審な影が現れました。
はじめは杖をなくした歩行困難者かと思いましたが、ただの酔っぱらい。ふらふらの千鳥というよりも、電池切れ間近のASIMOのような感じです。年齢は40代くらいの女性。酒臭い。
ハイヒールが片方脱げていて必死に前に進もうとしているのはわかりますが、全身びしょ濡れ。どう考えてもこのままでは怪我するのは必至です。
仕方ないので本来の業務である威力偵察やその報告を後回しにし、声をかけます。
『敵の酔っぱらいのハイパーボイス!。だが効果はいまいちだ!』
さっきからなぜポケモンなのかはわかりません。深夜のノリなんでしょう。
さて、酔っぱらいというものは意味不明なことをいうのは知っての通りです。政治家の不規則発言と比べたらどちらがいいかは定かではありませんが、あまり長時間相手したいとは思いませんよね。
そのおばさん、というよ失礼なので「仮称Yさん」で通します。
Yさん、めちゃくちゃ酒臭い。そして驚くほど小汚い。かばんも服も泥だらけ。ハイヒールは底がほとんどめくれ上がっている状況です。どこで飲んでいたのかわかりませんが、さんざんコケたのだとひと目で分かる惨状です。ああ、これが20代の美女だったらどれだけ良かったか。
そんなYさんに声をかけました。見ていられないからですよ。繁華街でよく見るタイプの酔っぱらいですが見て見ぬふりはできません。とりあえず家に帰る途中なのはわかったので送り届けようとしますが、何しろ足がおぼつかない。そして「ありがとう」「あんた何よ」「こんなことしていいのーーー」「大丈夫大丈夫」という酔っぱらい方言によるハイパーボイスで攻撃してきます。
でも聞く耳はもちません。鋼タイプなので。
で、家はこのさき100メートルほどのところだというので、半信半疑ではあるもののそこまで肩を貸して行こうとしました。
これが後の悲劇につながります。
歩く、倒れる、転ぶ転ぶ転ぶ、頭打つ
最終的に家が近いというのは正解です。方向以外は。
「こっちですか?」「どっちですか?」
なんど聞いても芳しい回答は得られません。ちょうどiPadを持っていたので地図を出そうとしても、本人が警戒してなのでしょう具体的なものが何一つわからない。
この時点で警察を呼んだほうが良かったのでしょうが、「家が近い」という言葉を信じて、また排他的な正義感がなんとなく芽生えて自力で送り届けようとしてしまいます。なんでこんなことしたんだろう。
不幸中の幸いか、嘔吐はありません。しかし予想以上に飲んでいるらしく、側頭葉と前頂葉と後頭葉と前頭葉が大げんかの真っ最中。なのに警戒心だけはずっとあるのですから不思議です。
歩く転ぶ転ぶ起きる歩..転ぶ頭打つ。こんな感じです。Yさんに肩を貸していなければ確実に数針縫う怪我をしそうなものです。一度は車に頭をぶつけてコブを作っていましたが、明日には鮮明な痛みに変わるでしょう。
しかもハイヒールを履いているのでとても危険。最終的に自己判断で脱がせました。砂利道は痛そうでしたが、まあ仕方ありませんね。
やっと家に着い…え?線路の向こう?
結局は本人も知らない道に進んでいたのはよくあることです。RPGで迷った挙句にセーブポイント前で高レベルモンスターに遭遇してしまったらもうどうしようもありません。
どうしてあんな意味不明な道案内を信じたのか自分でもわかりませんが、とにかくアパート前につきました。Yさんとは全然関係のない人のアパートですけどね。
漢字で表すと、「迷子」。身元不明の酔っぱらいおばさんの案内に従う馬鹿な勇者がここにいます。
しかも自宅はどこかと聞いても住所は言わず、線路の向こう側だと主張します(しかもこれもいい加減でした)。線路沿いのアパートの前で、線路の向こうが自宅だと言われた時の悲しさは半端ない。
Yさんは相変わらずろれつが回っていないし、「あんた仕事は何しているの?」「もうダイジョーーーブだから」「こんなことしてカネになるの?」と繰り返すだけ。埒が明きません。
小汚い勇者からメガ警察官に進化した
ひとんちのアパートの前で管を巻くYさんをよそに、対策を考えます。もっと早く対策しろよというのはなしです。
家の人を呼んでもらうにもYさんは全く応じません。この辺りで酔いが少し覚めたのか、わずかに冷静な言動が見えましたが、あまり信用はできません。
最初は近所の人に助けを求めようとしましたが、時刻は夜中の2時前。無謀です。仕方なしに父親に電話(なんとiPhoneという金持ちしか持てない近未来ガジェットを持っている)しましたが、警察を呼ぶほうが懸命だと言われます。
はい、国家権力を召喚しました。
ちなみに慣れていなかったので、「110」にかけたつもりが「101」に最初かけていました。シャーク・ナイトかい。
かけたはいいが、でも現在地がよくわからない。地元ではありますが、特に寄らないような住宅街なので地理感もない。偶然持っていたiPadとHDW15で把握しようにも細かいところがわからない。
しかし、オペレーターの人からは一発でわかるのでしょう。自分のiPhoneの発信源を特定して大まかな場所を理解してくれまいた。素晴らしい。
その後、他人のアパートの前で雨にふられながら警察官の到着も待ち続けます。Yさんはやや冷静になったのか、しきりに自分のことを話してきます。どうやら会社で色々嫌なことがあったらしく、その上での深酒だったのでしょう。自分に対して「こんな仕事(Yさんは人助けを仕事とおもっている)なんかしないで自分のために働きなさい」などとアドバイスしてくださいました。
現在、職探し中の自分としては結構ずしりときましたが顔には出さないでおきます。変に刺激するよりもとにかく話を聞いているふうにした方がいいからです。
そんな感じで警察官がきたのでYさんのところに案内します。二人の警察官をみてかなり冷静になったYさんは素直に家をゲロリました。しかも方向がおかしいだけで、いがいと近場だった。なぜあのとき道を曲がったんだ???
無事帰還。プレイ時間は2時間弱
結果、無事にYさんは家にたどり着きました。明かりが灯っていたので帰りを待つ家族がいるのでしょう。なんとか鍵を開けて家に入ってくれました。妖怪退治は無事終了。
二人の警察官にお礼を言われました。経験者から見てもYさんの状態はかなり酔っ払っている様子で、あのまま放置しないで正解だったようです。
道に迷いながらも2時間かけて家に着いたことになります。長かった。本当に。RPGでもこんな馬鹿なルートをずっとプレイさせられたら途中で飽きるでしょうね。よくがんばった。途中でかばんの中身をあさって身元を調べようとも考えましたが、それはやり過ぎなので自粛。結果的に家まで無事送り届けられたのでよしとします。
でも本当にあれが美しい20代の女性なら、他の人も助けてくれたんでしょうね。そうでなくても助けますが。でも……
教訓
酔っぱらいを救助したらすぐに警察を呼ぼう
しかしIngressがなかったらあの人に会わなかったわけですし、たぶんYさんはもっとひどい怪我を負っていたことでしょう。そう考えればIngressが人助けのきっかけになったのはいい経験です。
なお、Ingressの紹介記事はけっこうあるのでそちらをどうぞ。
あと、本当にいま無職状態なので誰か仕事ください。あと彼女欲しいです。なんでもしますから!! ぁっっ
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