【注意】この記事は2014年7月10日より適用されるエラッタによって無効となります。
今回は《武神 ヤマト》のエンドフェイズ時の起動効果と、《禁じられた聖杯》や《エフェクト・ヴェーラー》の関係についてです。
ヤマトのエンドフェイズの効果を無効にするために相手ターンにヴェーラーや聖杯を使っても、結果的に無意味になることがあります(必ずしもそうではないので注意)。
「システィヴェーラー問題」とほぼ同じなのですが、より詳しく見ていきましょう。
ライトロードも似た話題がありますね。
平たく言うと「ヤマトの効果を無効にするには聖杯やヴェーラーでは足りないよ」という話です。
なぜなら、ヤマトの効果は任意発動なのに対して、ヴェーラーや聖杯の無効化解除は強制処理です。互いに優先権を放棄すると、強制の処理から先に行うことになってしまうのです。
ここでは、ヤマトの側をターンプレイヤーA、聖杯やヴェーラーを使う側を非ターンプレイヤーBとします。
- 武神-ヤマト/Bujin Yamato
- 効果モンスター
星4/光属性/獣戦士族/攻1800/守 200
1ターンに1度、自分のエンドフェイズ時に発動できる。
デッキから「武神」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
その後、手札を1枚墓地へ送る。
「武神-ヤマト」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
ヤマトをヴェーラーで無効にしたエンドフェイズ、ヤマトの効果はどうなるのか
現在はプレイヤーAのメインフェイズです。ここでヤマトの効果を無効にしようとプレイヤーBがエフェクト・ヴェーラー(もしくは禁じられた聖杯)を発動します。
特に妨害もなくこのままエンドフェイズに移行。このエンドフェイズでは以下の様な処理が起こります。
- Aがヤマトの起動効果の発動をせず優先権を放棄
- Bがヴェーラーの効果を解除せず優先権を放棄
- ヤマトの効果は任意なのでAは発動せず再び優先権を放棄
- Bは強制処理のヴェーラーの効果を解除。Aに優先権が渡る
- Aはヤマトの効果を発動してデッキからカードをサーチ
- 次のターンへ移行
「ライトロードとエフェクトヴェーラーの記事」で書きましたが、エンドフェイズにて複数の処理がある場合には、
ターンプレイヤーを戦闘にしてどちらが先に行うかを確認しあって決めます。
ヤマトを先に発動するとヴェーラーで無効になりますが、ヴェーラーを先に解除すればヤマトの発動は無効になりません。
結果、ヤマトもヴェーラーも相手に譲りあいます。しかし、強制の処理であるヴェーラー側が先に解除しなければいけなくなります。
ヤマトの任意効果とヴェーラーの強制解除
ではどんなふうに処理するのか図解してみます。
メインフェイズにヴェーラーでヤマトを無効化
これは聖杯でも構いません。聖杯もヴェーラーもエンドフェイズ時までしか効果を無効にできないためです。エフェクト・ヴェーラーの性質上、相手のメインフェイズに無効にしているのであって、聖杯ならいつでも大丈夫です。
ターンプレイヤーAのヤマトを対象にしてヴェーラーを発動します。この時点ではまだ何も起こりません。
エンドフェイズに移行してヤマトの効果の発動確認をする
攻撃が終わってメインフェイズ2。そしてエンドフェイズに移行します。
このエンドフェイズのはじめにはプレイヤーAの方に優先権があります。よって、ここでAはヤマトの効果を発動するか、それとも優先権を放棄して何も行わないかを選択できます。
当然、このままではヤマトの効果は無効になるのでターンプレイヤーAは「何もしない」と宣言します。これで相手側に優先権が渡ったことになります。
ヴェーラーを使った側はヴェーラーを解除するかを選択
プレイヤーBに優先権が移りましたが、ここでヴェーラーの解除をしても意味がありません。
当然、Bはヴェーラーを解除することなく優先権を放棄します。
ここまで、現実にはお互いのプレイヤーは
- ターンプレイヤーA:
- 「何かありますか?」
- 非ターンプレイヤーB:
- 「いいえ何もありません」
というやりとりをしているにすぎません。
ループ2巡めに入る
お互いになにもしないことを宣言(優先権の放棄)をしました。本来はここでエンドフェイズを終えて次のターンに移行します。
しかし、プレイヤーBがエフェクト・ヴェーラーの無効化解除を申請していません。よってまだこのエンドフェイズは続けます。
再びターンプレイヤーAに優先権が回ってきますが、ヤマトの効果は任意で発動するかどうかを決められるため、Aは再び発動をしないでBに優先権を譲ることが可能です。
これでAは2回放棄したことになります。
プレイヤーBはヴェーラーの無効化を宣言しなければならない
互いに優先権を放棄した2巡目移行では、強制処理があるプレイヤーは必ずその処理を行わなければなりません。
よってBはヴェーラーによるヤマトの無効化をここで解除することを宣言します。
では、これでエンドフェイズが終わるのでしょうか?
違います。まだ終われません。
- 非ターンプレイヤーB:
- 「エフェクト・ヴェーラーの無効化はここで終わり。
よしこれで終わりだ」 - ターンプレイヤーA:
- 「あなたが行動を起こしたのでまだエンドフェイズの終了を宣言できません。このフェイズにやることがないかをもう一度確認します」
- 非ターンプレイヤーB:
- 「!!!」
そう、片方がなにか処理を行ったので再び互いに優先権を放棄しないと次のターンに移行できません。
Aが再びカードを発動する機会を得たわけです。
ここでターンプレイヤーAがヤマトの効果を発動
エンドフェイズに移行するには互いの了承が必要です。Bが何らかの処理を行ったのでAにもまた発動の機会が生まれました。
既にヤマトの効果は、ヴェーラー(あるいは聖杯)の無効化を受けていません。
よってこの状態で発動してもヤマトの効果は適切に処理されます。
ターンプレイヤーAの側が任意の発動であったのに対して、Bは強制でした。
ターンプレイヤーAからすればBの強制処理を見守ってから自分の任意効果を使えばいいというわけです。後出しジャンケンのようですね。
ヤマトの効果にチェーンして禁じられた聖杯を発動すれば無効にできます
誤解のないように言いますが、ヤマトのエンドフェイズ時の効果にチェーンして禁じられた聖杯を発動すれば、ヤマトの効果を無効にできます。
- チェーン1
- ヤマトのサーチ効果
- チェーン2
- 禁じられた聖杯(対象:ヤマト)
当然逆順処理をすればヤマトは無効になります。これは一般的な処理なので問題ないでしょう。
さきほどもいったように、効果にチェーンしないでメインフェイズ等で使っていると、肝心のエンドフェイズにて無効化できないということです。
まとめ
この処理自体は、実は複雑ではありません。どっちに優先権があるかが互いに明確であれば、ちょっとした確認の合図だけで終わってしまいます。
逆に「優先権がよくわからない」という人は無駄に時間を浪費してしまいます。
優先権が理解できないなら、交通ルールを思い浮かべてください。
交差点で、横断歩道を渡りたい歩行者と、左折したり自動車があって、それぞれ青信号だとします。互いに同じタイミングで侵入した場合、当然自動車は歩行者に譲り歩行者から先に渡るでしょう。
このときの状況を「歩行者に優先権があるから先に渡った」と言い換えているだけです。
エンドフェイズは特にこのようなことが良く起こります。頻繁に使うことなので是非マスターしてください。
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