心理学のことに触れつつ遊戯王のプレイについて

心理学を心がわかる学問だと思っていないか

【はじめまして】

みなさん, こんにちは。北海道は札幌で活動している, 「きみひら(@Kimihira0120)」といいます。私は現在大学院で心理学の研究をしている傍ら, 趣味で遊戯王カードをしています。
今回は遊戯王ハックさんへの寄稿文ということで, 心理学のことに触れながら, 遊戯王のことについて, 手短に述べていきたいと思います。

 

【学問としての心理学とは何なのでしょうか】

街の本屋にいくと『心がわかる心理テクニック』みたいな本がちらほらと置いてあります。このことから, 「心理学=心がわかる学問」と認識するかもしれません。残念ながら, そんなことはありません。心理学が行っていることは, 大まかに分けて, ①生理的な指標(脳波や脈拍, 分泌物), ②行動の観察・実験, ③アンケートなどの質問, の3つによって「人が○○である(する)ときには☓☓である(する)」という風に, ある人(A)の心→Aの行動→Bから理解するAの心というプロセスを踏んでいます。したがって, 間接的に色々と理論を組み立てているにすぎません。確かに, 心理学の知見に基づく理論や法則は存在して, そこから他人の心を少しでも予測・理解しよう努力することは可能ですが, それによって他人の心を直接的に読み取るとか, 操るといったことまではできないのです。

 

 

【心理学の知見から, 役立てる事があるとすれば……】

では, 私が心理学の知見から, 遊戯王カードのプレイに役立つことを挙げるとしたら, 以下の2つです(ここからはしょうもない話なので話半分で読んでくださいね)。

 

「じゃんけんの勝率」は平等ではない?
「ここは勝ちたい」というじゃんけんをする時, みなさんは何を出しますか?ある研究によれば, それぞれの手を出す確率として, グーは35.0%, チョキは31.7%, パーは33.3%であり, パーを出せば勝つ確率が35.0%と報告されています!つまり, パーを出せば「確率的に」は勝てるということです。

 

「後知恵バイアス」とは
では, 「自分はパーを出したが負けてしまった」場合を考えましよう。あなたは「相手が裏を読むことを考えていなかった」と考えるかもしれません。これに似ている状況って遊戯王でもありませんか?例えば, 「既に2枚使われている激流葬をここで踏むのか…プレミしてしまったな…」みたいな。確率的には低いことなのに, いざ起こってみると「こうなる可能性を考えるべきだった」と悩むかもしれません。しかし, これは「後知恵バイアス」と呼ばれる思い込みの一種です。もちろん, その状況を「こうなる可能性のほうが本当に低かったか」と批判的に考えることは必要ですが, それ以上は野暮というものです。「こうならない可能性」のほうが高かったのですから, たまたま起きてしまっただけなのです。だって所詮は確率の話なのですから。

 

それでは, またお会いする機会があれば!


管理者です。このたびはkimihiroさんに寄稿していただきました。このブログに別の風を吹き込んでいただいたこと、感謝いたします。

このブログは大学院生の方も読んでいるのですよ、ということがわかっただけでも一歩前進かなと思います。そして改めて文才のなさを痛感します。