《金華猫》による除外が発生するメカニズム -《旧神ノーデン》を添えて-

埠頭から海を黒猫

金華猫》というモンスターは、墓地からレベル1モンスターを特殊召喚するカードです。特殊召喚されたモンスターは金華猫と紐付けられ、金華猫がフィールドを離れるときに除外されます。

そうつまり《旧神ノーデン》と同じ除外効果なわけです。金華猫の裁定はそのままノーデンに使えるため、金華猫の除外効果を理解することがノーデンを理解することにつながると言えます。

金華猫
【シングルカード】遊戯王 金華猫(キンカビョウ) TDGS-JP034 ノーマル
効果/スピリット
星1/闇属性/獣族/攻 400/守 200
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが召喚・リバースした時、自分の墓地からレベル1モンスター1体を選択して特殊召喚できる。このカードがフィールド上から離れた時、この効果で特殊召喚したモンスターをゲームから除外する。

金華猫の除外効果の要点

金華猫の除外効果で覚えておくべきことはそんなに多くはありません。

  1. フィールド上で対象を取り続ける効果
  2. 除外するときにはチェーンブロックを作らない
  3. チェーン処理中でも金華猫がフィールドを離れると除外は即座に発生する
  4. 特殊召喚される効果処理時に金華猫が存在しなくても特殊召喚される。また、その場合は除外されない
  5. 金華猫と同時にフィールドを離れても除外されない

「このカードがフィールド上から離れた時」というのはどういう時?

困るのがこの「このカードがフィールド上から離れた時」というテキストの解釈です。どんな状況を指すのかをあげてみます。

金華猫はライティーを対象に取り続けている

金華猫はライティーを対象に取り続けている

金華猫がフィールド上から離れた扱いになる場合
  • フィールド上で戦闘破壊・効果破壊される
  • リリースや墓地に送られるまたは除外される
  • 手札・デッキ(エクストラ)に戻る
金華猫がフィールド上から離れた扱いにならない場合
  • 裏守備表示になる
  • エクシーズ素材になる
  • エクシーズ素材である状態から取り除かれる
  • 相手フィールド上にコントロールが移る

細かく言うとまだまだありそうですが、基本的に上記のとおりです。少し意外な気がするかもしれませんが、裏守備になったりエクシーズ素材になっただけでは、フィールド上から離れた扱いにはなりません。

【参考】101アークナイトでアブソルートを吸収しても効果が発動しない理由

この条件はそのままアブソルートの発動条件に関係すると言えますね。

さて、この条件をクリアしても蘇生したモンスターが除外されるかどうかは決定しません。他の要素も関わってきます。

蘇生したモンスターが除外される条件

例として《フォーチュンレディ・ライティー》を蘇生した場合を想定しましょう。このライティーはどういう状況で除外され、または除外されないのか。

金華猫のみがフィールドから離れると除外される

ライティーが除外されるためには、金華猫のみがフィールドから離れる必要があります。

金華猫がライティーを対象にとっている時に破壊されるとライティーは除外される

金華猫がライティーを対象にとっている時に破壊されるとライティーは除外される

金華猫はライティーを対象にとり続けているので、そのリンクを保ったまま金華猫がフィールドから離れることで除外効果が適用されるわけです。そのためには、例えば金華猫と他のモンスターでシンクロ召喚を行なっても除外は発生します。

金華猫がライティーを対象にとったままシンクロ素材になっても除外される

金華猫がライティーを対象にとったままシンクロ素材になっても除外される

金華猫とライティーが同時にフィールドを離れると除外されない

除外されない典型例として、金華猫とライティー(蘇生されたモンスター)が同時に《ブラック・ホール》などで破壊されると除外されません。大事なのは「同時」というタイミングです。同一のチェーン処理の中で別々に破壊されたり、同じ処理の中でバラバラに処理されるとそれは適用されません。

金華猫と蘇生したモンスターでシンクロ召喚するとどちらも墓地にいく

金華猫と蘇生したモンスターでシンクロ召喚するとどちらも墓地にいく

また、両方をリリースしたりシンクロ素材にするなどした場合でも、両方が墓地に行きます。

金華猫がライティーを対象にとれなくなってからフィールドを離れても除外されない

金華猫を裏守備表示にするとライティーを対象にとらなくなるので除外されなくなる

金華猫を裏守備表示にするとライティーを対象にとらなくなるので除外されなくなる

金華猫はフィールド上でライティーを対象にとり続けます。除外効果はライティーを対象にとっているがために発生するため、このリンクを断ち切ることで金華猫がフィールドから離れてもライティーは残り続けることになります。

簡単なのは《月の書》で金華猫かライティーのどちらかを裏にすることでしょう。これによって、金華猫がライティーを対象に取り続けることができなくなり、除外効果は失われます。裏にしたモンスターをリバースしても、その関係性は消失しているので、以降は除外されることはありません。

さらに、エクシーズ素材にするなどしてもフィールド上から離すことなく蘇生したモンスターとの対象にする関係を断ち切るため、除外されません。

他にはスキルドレインなどで効果を無効にすることで、その対象にする関係を無効にして除外されないようにすることが可能です。

金華猫の特殊召喚前に金華猫がフィールドを離れるとどうなるのか

金華猫の効果処理前に金華猫がフィールドを離れると金華猫に対象をとられていない状態で特殊召喚される

金華猫の効果処理前に金華猫がフィールドを離れると金華猫に対象をとられていない状態で特殊召喚される

金華猫が墓地のライティーを対象に効果を発動し、それにチェーンして強制脱出装置などで金華猫がフィールドを離れてしまったとします。この場合でも効果は無効になっていませんのでライティーは特殊召喚されます。さらにフィールド上で金華猫の対象になる効果を受けないので除外されることもありません。リビデは永続罠なのでリビデがフィールドを離れるとその特殊召喚効果も失われますが、モンスター効果によるものなのでこういう結果となります。

なお、強脱ではなく月の書やサンボルなどを使っても同じ結果となります。

ライティーが除外される場合
  • 金華猫を戦闘破壊する
  • 金華猫の効果で手札に戻る
  • 金華猫とライティ以外のモンスターでシンクロ召喚や融合召喚等を行う
ライティーが除外されない場合
  • それぞれを同時に破壊・リリース・シンクロ素材等にする
  • 月の書で金華猫かライティーのどちらかを裏守備にする
  • 金華猫の効果を無効にする
  • 金華猫をエクシーズ素材にする
  • 金華猫の特殊召喚処理前にその金華猫がフィールドを離れる

まとめ

金華猫の蘇生と除外効果は、ちょっと独特かもしれません。ジャンク・シンクロンやデブリ・ドラゴンと違い、フィールド上で対象に取り続けるためです。また同じ対象に取るリビデとも違う動きをします。

しかし慣れてしまえばそんなに大したことではありません。金華猫のリンク先の裁定やノーデンの裁定をよく身て覚えてしまうのがてっとり早いかと思いますが、ぜひ紙に書いて整理するといいでしょう。ここに書いていないことも多いですが、順序立てて考えると難しくはありません。

次回は(いつになるのやら)ようやく《旧神ノーデン》の基本的なルールをジャンク・シンクロンの裁定記事と交えて解説します。